『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』続編はナシ? ─ プロデュースのルッソ兄弟、ジョークで回答

A24史上No.1ヒット、第95回アカデミー賞で作品賞ほか最多7部門に輝いた『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』に続編はない……かもしれない。プロデューサーを務めたアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟が(はぐらかしながら)答えた。
通称『エブエブ』こと『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は、ギリギリの暮らしにトラブルだらけの家族を抱える主婦・エヴリン(ミシェル・ヨー)のもとに、“別の宇宙から来た”と名乗る夫・ウェイモンド(キー・ホイ・クァン)が現れ、「全宇宙を救えるのは君だけだ」と突如世界の命運を託されるストーリー。ウェイモンドに導かれ、エヴリンはマルチバースへ大ジャンプして“悪”と闘う。
世界中の賞レースを席巻し、日本でも健闘した本作を手がけたのは、ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナートの監督コンビ「ダニエルズ」。摩訶不思議な魅力と確かな作家性と演出力ゆえ、さらに世界観を拡大した続編やスピンオフも期待できそうだ。
しかし米Comicbook.comの取材にて、ジョー・ルッソは「(続編は)ありません。私たちがダニエルズ版『バットマン』をプロデュースしたら、彼らも忙しくなりますから」と冗談めかして応答した。もちろん、現時点でダニエルズ版『バットマン』という企画は存在していない。
このジョークの背景にあるのは、ルッソ兄弟と同じくマーベル・シネマティック・ユニバース作品に参加していたジェームズ・ガンが今後のDC映画を統括することへのエールだ。ジョーは「ジェームズが指揮を執っているから、(DCへの参加は)考えるまでもありません。僕たちは彼のことが死ぬほど大好きだし、彼があの世界を導こうとしている方向性も気に入っています。創意工夫を凝らしてくれることでしょう」と語り、DCのスーパーヒーローではバットマンがお気に入りだとも述べていたのである。
なにはともあれ確かなことは、現時点で『エブエブ』の続編企画は存在しないこと、理由はともかくジョーは「続編はない」と言っていることだ。ダニエルズは『スター・ウォーズ』の新作ドラマ「スケルトン・クルー(原題)」でエピソード監督を務めており、現在はそのポストプロダクション(撮影後作業)に入っているとみられる(2023年配信予定)。その後の活動はいずれ明らかになるだろう。
ちなみに続編ではないものの、『エブエブ』よりミシェル・ヨーとキー・ホイ・クァン、娘・ジョイ役のステファニー・スーが出演するドラマ「アメリカン・ボーン・チャイニーズ 僕らの西遊記」は2023年5月24日にディズニープラスで独占配信開始。3人の再集結を楽しみながら、『エブエブ』続編に想いを馳せてみたい。
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Source: Comicbook.com
Text: Yuka Shingai, 稲垣貴俊