『アベンジャーズ/エンドゲーム』アントマン&ワスプの削除シーンが判明 ─ 単独作とのリンク、やむなくカットされていた

マーベル・シネマティック・ユニバースの集大成『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)から削除された、『アントマン&ワスプ』(2018)にまつわる未公開シーンが新たに判明した。米/Filmによるスタッフの座談会にて、編集を担当したジェフ・フォード氏が語っている。
この記事には、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』のネタバレが含まれています。

カットされた『アントマン&ワスプ』とのリンクとは
『アベンジャーズ/エンドゲーム』のクライマックスでは、前作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)で塵と消えてしまったヒーローたちが、インフィニティ・ストーンの力によって再び戻ってくる。サノスによる“指パッチン”を経て、『アントマン&ワスプ』(2018)のラストに消滅したホープ・ヴァン・ダイン/ワスプも同様だ。スコット・ラング/アントマンとワスプは、力を合わせてサノス軍との戦いに臨むのだ。
インフィニティ・ストーンを賭けたラストの決戦では、量子トンネルを搭載した『アントマン』シリーズのバンも登場する。6つのストーンを過去のあるべき場所へと戻すため、ヒーローたちはバンをめざしてガントレットをリレーするのだ。一方でスコットとホープは、バンに乗り込んで量子トンネルを再び起動しようとする。フォード氏によると、削除されたのは車内でのジョークだったとか。
「2人がバンの中でエンジンをかけようとして、(スコットが)配線をねじると、ラジオが点いて、パートリッジ・ファミリーの曲が流れ始めるんです。『アントマン&ワスプ』でスコットが聴いていた曲ですね。するとアウトライダーズ(サノス軍の兵士)が現れる。アウトライダーズがパートリッジ・ファミリーを聞きつけて向かってくるので、スコットが“あああ、ごめん!”って。面白いと思ってたんですけどね。失敗したんで、2人が小さくなって隠れるのも。」
ここでフォード氏が挙げている「パートリッジ・ファミリーの曲」とは、『アントマン&ワスプ』で刑期満了を3日後に控えたスコットが自宅で歌う「Come On Get Happy」のこと。この曲が流れる中、スコットは自宅で電子ドラムを叩き、ボウリングをし、カラオケに興じ、ヤングアダルト小説『きっと、星のせいじゃない。』を読んで涙するのである。
実際に『エンドゲーム』の撮影現場では、曲の流れているバンの中をアウトライダーが窓から覗くショットが撮られていたそう。しかし結果的に削除されたのは、ヒーローが窮地に置かれるという展開を「余計に繰り返す必要はない」という判断のため。また、クライマックスのシーンはCG作業が極めて大変で、相当の予算が必要となるため、製作チームは「本当に必要なものを撮り、作る必要があった」という。フォード氏は「自分たちが必要とするものを非常に厳しく判断しなければ、(このシーンを)作ることはできなかったと思います」とさえ振り返った。
なお『エンドゲーム』を経ての『アントマン』シリーズ第3作(タイトル未定)は2021年1月より撮影予定で、2022年ごろに公開されるものとみられる。
Source: /Film