【ネタバレ】『アベンジャーズ/エンドゲーム』ブラックパンサーが◯◯に◯◯する理由にも製作陣のこだわりがあった

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)名実ともに集大成となった『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)では、クライマックスに大きな高揚感が得られる。製作陣は、ここでの興奮を最大化させるためには、あの男の登場が効果的であることを心得ていた。
この記事には、『アベンジャーズ/エンドゲーム』のネタバレが含まれています。
『エンドゲーム』最大の醍醐味となるのは、前作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)で失われたヒーローたちが、クライマックスで全員戻ってくるところにある。「その瞬間を焦らしたかった」と言うジョー・ルッソ監督によれば、ヒーローたちの帰還は「一人ひとりがステージに帰ってくる瞬間を与える」もの。「観客に、キャラクターたちの帰還を受け取ってもらいたかったんです。多くのファンは、一度彼らを失って打ちひしがれましたからね。」
なぜブラックパンサーが最初に登場したのか
『エンドゲーム』クライマックスでは、サノスに圧倒され孤軍となったキャプテン・アメリカのもとに「キャップ、聞こえるか」「左から失礼」というサムの通信が入る。息も絶え絶えのキャプテン・アメリカが振り返ると、黄金色のポータルが開き、中から人影が現れる。オコエ、シュリ、そしてティ・チャラ/ブラックパンサーだ。マスクを収納し、頼もしい素顔でキャップを見つめると、満身創痍となったアベンジャーズのリーダーを称えるように、そしてもう大丈夫だと安心させるように頷く。
続けて数々のヒーローたちが続々と姿を現すが、ルッソ監督によれば、まず最初にブラックパンサーが現れるという演出は常に心に決まっていたのだという。「サノス軍と対峙したとき、戻ってきて欲しい男といえばブラックパンサーとワカンダのみんなでしょう。それが正しいし、奮い立たされますよね。」思えばブラックパンサーは、『インフィニティ・ウォー』ワカンダ戦でもキャップと共に先陣を切って敵陣に飛び込んだ、正真正銘のリーダーである。絶体絶命のピンチに必要なのは、絶対的なリーダーの存在なのだ。
ファルコンが飛び出すと、空中にいくつものポータルが開き、そこからドクター・ストレンジが現れる。「ポータルを開かせなければいけないから」で、続けてガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、そしてスパイダーマン/ピーター・パーカーのカムバックだ。
これぞ、マーベル・シネマティック・ユニバースの集大成、11年の歴史はこの瞬間のためにあったと思わせるカタルシスだ。「僕たちも参加した上映の時には、」ルッソ監督もファンの興奮を喜んだ。「キャラクター一人ひとりが戻ってくるごとに、物凄い拍手が起きました。特にティ・チャラがキャップに”任せとけ”みたいに頷くシーンはとんでもない拍手でした。それから、ピーター・パーカー帰還にも割れるような拍手喝采があって。そして最後に、遂にペッパー・ポッツが着地して、マスクを上げての登場ですよ。ここでも観客は凄い興奮でしたね。上手く構成できたと思います。意図としては、”サノスに立ち向かうために、ヒーローたちをじっくり集めよう“というものでした。」
マーベル・シネマティック・ユニバースが『アベンジャーズ/エンドゲーム』とシリーズ全作で与えたのは、映画そのものの感動や興奮ばかりでなく、劇場が一体となってヒーローたちを称えるという、かつてない映画体験だった。この喜びを最大化させるのに、まず最初に登場させるのがブラックパンサーで、最後がペッパーであるべき理由も、製作陣は計算済みだったのだ。
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