【ネタバレ】『アベンジャーズ/エンドゲーム』ラストに◯◯する◯◯の◯◯

『アベンジャーズ/エンドゲーム』葬儀に登場する少年
映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』のクライマックスには、ヒーローたちとサノス軍が正面から大々的に激突する一大絵巻が待っている。目を見張るような精緻なビジュアルによって、コミックの世界がスクリーンに表現されるのだ。しかし最後には、サノスの手にインフィニティ・ストーンがすべて集められるのを阻止すべく、トニー・スターク/アイアンマンが自分の身を犠牲にすることとなった。サノスの手から6つのストーンを奪ったトニーは、指を鳴らし、命と引き換えにサノス軍を塵にする。
戦いの後、平和を取り戻した世界では、トニー・スタークの葬式が執り行われた。すべてのヒーローが参列する中、バッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャーとサム・ウィルソン/ファルコン、ワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチの3人が並び立つ後ろには少年が一人でぽつりと立っている。しかし、彼はいったい誰なのか。
『アイアンマン3』ハーレー・キーナー
結論から言えば、トニーの葬儀を訪れていたのは、『アイアンマン3』(2013)に登場した少年ハーレー・キーナーだ。同作でアーマー依存症に陥ったトニーは、ペッパー・ポッツやジェームズ・“ローディ”・ローズ/ウォーマシンとの関係も順調とはいかない中、信頼するハッピー・ホーガンがテロの被害によって重傷を負ってしまったことをきっかけに、テロ組織「テン・リングス」そして首領マンダリンを挑発。攻撃を受けて満身創痍となったトニーがたどり着いたテネシー州ローズヒルで、トニーと偶然に出会い、互いに変化していくことになる。
もちろん『エンドゲーム』でハーレー役を演じているのも、『アイアンマン3』以来6年ぶりの登板となったタイ・シンプキンスだ。同作以外には『ジュラシック・ワールド』(2015)でグレイ・ミッチェル役などを演じている。2001年8月6日生まれの17歳とあって、本編では俳優自身の成長を感じることができるだろう。ちなみに2017年10月の時点で、シンプキンスが登場するとの説は米国にてささやかれていた。
トニーの葬儀にハーレーが現れたことは、今後のマーベル・シネマティック・ユニバースにおいてどんな意味を持つのか。ハーレーを再登場させた理由について、ジョー・ルッソ監督は「トニーがハーレーに影響を与えたから」だと一言。「ハーレーはアイアンマンの葬儀に招かれるべきだと思ったんです」とも述べている(贵圈)。
「彼は『アイアンマン3』の登場人物であって、これから登場するかどうかは誰にもわかりません。彼の未来について、僕が言えることはないんです。」
アンソニー監督は、米Entertainment Weeklyのインタビュアーに「彼が誰なのか分かりました?」と逆に問いかけている。インタビュアーが「ノー」と答えると、アンソニー監督は「誰も分かりませんよ。前回の登場から大きくなってるから、気づきません」とも口にしている。物語上の必然性によるものではなく、登場していることに意味があったのだ。
ちなみにジョー監督は、「インターネットで誰かが説明してくれると思いました。誰かが彼のIMDbページを見に行って、Twitterに投稿してくれれば広まるだろうって」とも付け加えている。「いわゆる、楽しいイースターエッグですよ」。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』をもって、トニー・スターク/アイアンマンの物語はひとまず幕を閉じた。ジョー監督は「イースターエッグ」と呼んだが、その物語の幕引きに現れる人物としては、ファンの想像力を大いに刺激する選択といって間違いないだろう。『アイアンマン3』のあと、二人の間にはなんらかの親交があったのか。トニーの姿を、ハーレーは遠くからどう見つめていたのか。トニーの死を経て、ハーレーはどのような人生を進んでいくのか。たとえ描かれないとしても、ここには物語の余白が大きく広がっている。
映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』は2019年4月26日(金)より全国公開中。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html