『007』次期ジェームズ・ボンド、イドリス・エルバが検討されていたと製作者が認める ─ 『ノー・タイム・トゥ・ダイ』公開中は一旦保留に

『007』シリーズ、7代目ジェームズ・ボンド役の有力候補の1人として注目されていたイドリス・エルバが、実際に制作側の間で検討されていたことがわかった。
これを明かしたのは、『007』シリーズのプロデューサーを長年務めるバーバラ・ブロッコリ。エルバといえば、6代目ダニエル・クレイグの卒業作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021)公開直後のタイミングで、「ジェームズ・ボンドにはなりません」と発言したことが話題となっていたばかり。このたび米Deadlineのポッドキャストにブロッコリが話したことよると、エルバが検討されていたのは、奇しくも『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』公開前後のことだったようだ。
「イドリスのことはよく知っていますし、彼とは友人です。俳優としても立派です。もうご存知かもしれないですが、彼(の名前)も会話の中で挙がっていました。でも座席が埋まっている中で会話を進めるのは難しいこと。だから私たちは決めたんです。『ノー・タイム・トゥ・ダイ』が公開されている間は、私たちがダニエルの素晴らしいボンドを堪能している間は、他の方の話はしないことにしようって。」
THE RIVERとの取材でもブロッコリは、「今年(2021年)は『ノー・タイム・トゥ・ダイ』とダニエル・クレイグを祝福するためだけに過ごしたい」と語っていたが、そこには、次期ボンド探しをスタートさせてみた上での決断があったのだ。ところで気になるのは、エルバの「ジェームズ・ボンドにはなりません」という発言。ブロッコリとエルバの間で次期ボンドに関する対話がなされたのかは定かでないが、もしその上でエルバが発言したのであれば、ブロッコリら制作側もこれを把握していたと考えられる。
もう一つ気になることがある。エルバの発言の約2ヶ月後、英タブロイド紙The Sunが『007』の次回作にエルバが悪役として検討されていると報じたのだ。この時、「イドリスはスタジオ側と非公式の打ち合わせに参加している」「その場で、“もし出演を望むのならば演じる役が用意されている”と言われた」と伝えられているが、真相は定かでない。
映画シリーズの誕生から60周年を迎える2022年。これを記念して、本国アメリカでは1月21日に一日限りの『ノー・タイム・トゥ・ダイ』IMAX再上映が開催された。ダニエル本人もゲストとしてビデオ出演したという同上映をもって、6代目ジェームズ・ボンドの任期も遂に終了となるだろう。そうすると近々、次期ジェームズ・ボンドに関する何らかの動きがあるかもしれない。