石黒浩らのアンドロイド、エリカが映画初主演へ ─ 史上初、AIが主人公演じる

史上初、人工知能を持つ本物のアンドロイドが映画主演を務めることが明らかになった。そのアンドロイドというのも、日本のロボット研究者 石黒浩が創り出した「Erica(エリカ)」だ。映画の原題は『b』。米The Hollywood Reporterが伝えた。
『b』は、完全人間のDNAを作るためのプログラムに危険性を発見した科学者が、自ら作ったA.I.の女性(エリカ)を脱出させるという物語。調達した製作予算は7,000万ドル。エリカと共演する(人間の)役者や監督は未定だ。
「演技のメソッドでは、役者が自分の人生経験を役に入れ込む。でもエリカに人生経験はありません」と、本作プロデューサーのサム・コーズは語っている。「彼女は役を演じるために、ゼロから創られた存在です。彼女の動きと感情を、一対一のセッションを通じて、動きのスピード、感情を込めた話し方などをシミューレートして、キャラクター開発やボディ・ランゲージのコーチをしていきます。」
エリカは、ロボット研究の第一人者として知られる大阪大学の石黒浩教授らによって開発された自立対話型アンドロイド。日本テレビで「アンドロイドアナウンサー」としても活躍している。映画デビューの話は以前にもあり、『アメリカン・ヒストリーX』(1998)のトニー・ケイ監督作品に起用される予定もあったが、ケイのスケジュール都合で頓挫していた。
なお、エリカのシーンの一部は、2019年に日本で済ませていたのだといいう。残りの撮影は2021年6月にヨーロッパで行う予定とされる。公開の暁には、是非この“主演女優”にインタビュー取材を行ってみたいものである。
▼ 関連記事
10万円以下で実現するフル・サラウンドホームシアター 5.1.2ch完全ワイヤレスサラウンドシステム「JBL BAR 800」発売、映画館のサウンドを再現 つまり自宅が映画館だ 「ワンダヴィジョン」エキストラ俳優のデジタルレプリカが生成されていた ストライキの論点のひとつ ディズニー、NetflixなどがAI関連の積極的求人を開始 ─ 脚本家・俳優ストライキも、技術導入の動き止まらず ストライキの出口はどこに 世界最大の球体型シアターでアロノフスキーが初作品 ─ かつてない没入感、宇宙からも視認できるLEDディスプレイ 建築費3,100億円 激論「シークレット・インベージョン」AIオープニング、制作スタジオが声明 ─ 「アーティストの仕事は奪われていない」 「従来の技法を活かした制作」
Source:THR