『E.T.』幻の別エンディングを主人公エリオットの兄役が明かす

少年と地球外生命体の友情を描いたスティーブン・スピルバーグ監督による『E.T.』(1982)。約40年の時経てもなお愛され続ける本作は感動的なエンディング・シーンが印象的だ。ところが、この名作には幻の別エンディングがあったという。
『E.T.』は、主人公の少年エリオットと地球外生命体のE.T.の別れで幕を閉じる。E.T.がエリオットの額に指を当てながら「I’ll be right here(イツモ ココニイルヨ)」と囁く姿は映画史に残る名場面の1つと言えるだろう。E.T.との別れにエリオットが流した涙は、世代を問わず、世界中の観客に大きな感動をもたらした。
別の構想案を明かしたのは、本作でエリオットの兄マイケルを演じたロバート・マクノートン。米Cinema Blendにて、「ラストシーンは、映画のようなものになる予定ではなかったんです」と証言しているのだ。
「ラストは、子どもたちがダンジョンズ&ドラゴンズで遊ぶ場面になるはずだったんです。ここでエリオットはダンジョンのゲームマスターになっているんですよ。エリオットがE.T.を見つけたから、仲間に入れてもらえたというわけです。これが最後の場面で、脚本から何やらに書かれていました。そこで、カメラのアングルが上に向けられるんです。つまり、エリオットはE.T.とまだ交信しているんだという意味で。」
ダンジョンズ&ドラゴンズとは、テーブルトークRPGのこと。劇中の序盤、エリオットはダンジョンズ&ドラゴンズで遊んでいたマイケルら年上のグループの仲間に入れてもらおうとするも、上手い具合にはぐらかされ、終いにはゲームマスターのスティーブから「ピザを取ってきたら入れてやる」とあしらわれるのだ。ロバートが明かしたエンディング・シーンを通して、エリオットたちの成長がE.T.と出会う前と後で対比的に描かれる予定だったのだろう。
ロバートによれば、宇宙船が離陸するシーンを音楽付きで観たスピルバークら製作陣は、これをラストシーンとするよう変更したということだ。この決断にはロバートも「あれに続くシーンを描くのは不可能でしょう。賢い選択だと思います」と納得している。
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Source: Cinema Blend