【ネタバレ】『エターナルズ』エンディングの初期案が暗すぎる

この記事には、映画『エターナルズ』結末のネタバレが含まれています。

『エターナルズ』ダークな結末案
MCUでも抜群の異色作である『エターナルズ』のクライマックスは、エターナルズの面々が、惑星の滅亡と引き換えに誕生するセレスティアルズの出現を阻止するべく力を合わせるというもの。セレスティアルズが生まれることによってその惑星は滅びるが、エターナルズはもともとセレスティアルズの出現を支援する役割を与えられ、任務を達成しては別の惑星へと移っていたのだ。裏切り者だったイカリスの抵抗を食い止め、全員の力によって、一同はセレスティアルズの石化に成功する。
その後、エターナルズの面々は別々の道を進む。イカリスは宇宙へと旅立ち、セナとマッカリ、ドルイグは地球を離れ、セルシやキンゴ、ファストスらは地球に残ったのだ。しかし、セレスティアルズの一員であるアリシェムはセルシらを呼び出すと、いずれ地球に再び審判を下すと宣告する……。
ジャオ監督は、この結末はもともと自分が執筆したものではないと明言している。それどころか、映画製作における即興性を重要視するジャオは「私が書いた通りの結末になったバージョンは存在しない」と言い切っているのだ。完成版の結末は編集段階で見つけたもので、編集版を周囲に見せる中で編み出したものだという。
「実は本当に暗いエンディングの案があったんです。すごく暗かった。全員が船に戻って、記憶を消されて、また別の惑星に向かうんです。『トワイライト・ゾーン』みたいな感じ。真っ暗になって、“どうすればいいのかわからない…”という。」
すなわち、エターナルズがセレスティアルズの出現を阻止したところまでは同じだが、その後アリシェムによって一同の記憶が抹消され、本来の役目通りに次の惑星へ向かうという結末だったのだ。ジャオは「私は嫌いじゃなかったですが、観客受けは良くないだろうと思った」「MCUだから次回も楽しみにしてほしかった」との理由から、この結末を採用しないことに決めたという。
なお、本作のポストクレジットシーンにはハリー・スタイルズ演じるエロスが登場するが、このバージョンでは「(エロスは)どこかのタイミングでエターナルズの一員として船に乗っている」という登場のしかただったそう。しかし、この登場はうまくいかなかったそうで、別の可能性が検討され、最終的に完成版の形に落ち着いたのだそうだ。
ジャオ監督は「今まで私が作った映画の中で、オープニングとエンディングが脚本そのままだった作品はひとつもないと思う」とも述べている。「シーンは撮りながら変わっていくものだから」ということで、『エターナルズ』の結末が変わったことも必然的だったのだろう。
映画『エターナルズ』は2022年1月12日(水)よりディズニープラスにて見放題配信開始。
Source: Empire