『ワイルド・スピード ICE BREAK』ポール・ウォーカーCG復活案が検討されていた

『ワイスピ』シリーズ第1作から主演のひとりを務めてきたブライアン・オコナー役のポール・ウォーカー。2013年11月、第7作『ワイルド・スピード SKY MISSION』(2015)の撮影期間中に自動車事故に見舞われ、40歳の若さでこの世を去った。ポールが演じたブライアンも、『SKY MISSION』のラストシーンで見られたドムとのドライブを最後に、ファミリーとは別々の道を選んだ。
一度は再び立ち上がれないほどの悲しみを経験した、ヴィン・ディーゼルをはじめとする共演者・製作陣は、シリーズを継続させる道を選んだ。2017年には次作『ワイルド・スピード ICE BREAK』が公開されたが、同作ではポールが『ワイスピ』で遺したレガシーに対して“いかに敬意を払うか”が重要だった。メガホンを撮ったF・ゲイリー・グレイ監督によれば、ポールが演じたブライアンをCG加工で復活させる案まで検討されていたというのだ。
「このフランチャイズにおけるポールのレガシーを描くための、最高で一番粋な方法は何か。そういうことは打ち合わせの中で何百と話しました。いくつかできることもありました。デジタル加工でポールを再現して、彼をキャラクターに近づけること。もしくは、彼の姿は出さずに、彼がこの世界にいるということにするとか。こうしたことを話し合った上で私たちが決断した選択は、彼のレガシーに一番敬意を払ったものになったと思います。」
CG加工での復活といえば、ポールに捧げられた『SKY MISSION』ラストシーンで採用された方法で、ポールの2人の弟、ケイレブとコディが代役を務めた。こうした先例もあるため、『ICE BREAK』でも実現は可能であったはずだが、制作陣は別の方法を選んだ。
ポールの存在を伝えるべく『ICE BREAK』で採用された方法は、グレイ監督の言葉に沿えば後者ということになる。劇中、姿こそ見られなかったが、ドムがストリートレースに挑む際にかつてブライアンが使っていた裏技を使うシーンや、ファミリーが窮地に陥った時にタイリース・ギブソン演じるローマンが「ブライアンがいたら…」と呟くシーンなどで、ブライアンの存在が感じられた。ポールは、たしかにブライアンというキャラクターの中に生き続けていた。
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『SKY MISSION』では撮影に協力した2人の弟をはじめ、ポールの遺族も『ICE BREAK』の仕上がりには満足していたそう。グレイ監督は「ご家族も、彼の扱われ方にはとても喜ばれていた」と振り返っている。
日本では、『ICE BREAK』に続く最新作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』が間もなくやってくる(2021年8月6日)。同作を一足先に鑑賞した筆者の所感では、『ICE BREAK』と並ぶ、もしくはそれ以上にポールの存在をファンの方々は感じることができるはずだ。詳しくはネタバレ無しレビューでご確認いただきたい。
Source: Screenrant