ファルコン役アンソニー・マッキー、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」で初めて感じた恐怖とは

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のドラマシリーズ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」は、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)からファルコン/サム・ウィルソン役を演じてきたアンソニー・マッキーが、ためらいと恐怖を初めて感じた企画だったという。数々の作品で存在感を示してきたアンソニーは、なぜ本作に抵抗感を示したのか。
米Varietyにて、アンソニーは「今まで大スクリーンでやってきたことをテレビでやれるとは思えなかった」と告白している。コロナ禍のために配信スケジュールが変更されたため、MCU初のドラマ作品は「ワンダヴィジョン」となったが、もともとは本作が第1弾となるはずだったのだ。タイトルロールのファルコン役を演じる身として、そのプレッシャーは尋常ではなかったのだろう。
「マーベル史上初の失敗作の主役にはなりたくなかった。“どうだ? 黒人をキャスティングしたらヒドいことになった”みたいなのは嫌ですから。そうなることが僕には本当に怖かったし、それこそがマーベルのキャラクターを演じる大きな責任なんだと思いました。」
本作では『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)後を舞台に、ファルコンとウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズ(セバスチャン・スタン)の新たな冒険が描かれる。これまで掘り下げられなかった、サム&バッキーの一面がきちんと紡ぎ出されるのだ。アンソニーがこのシリーズに安心を覚えたのは、脚本・製作総指揮のマルコム・スペルマンが手がけた物語の“深み”にあったという。とりわけ今回は、サムの人種やアイデンティティが作品の鍵になっているというのだ。
「サム・ウィルソンはソーやブラックパンサーとは違います。彼は別の惑星から来たわけでも、国王でもない」。こう語るのはマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長だ。「彼は一人のアフリカ系アメリカ人であり、軍で経験を積み、PTSDを患った兵士のカウンセリングをしていた男です。しかし、彼はどこで育ったのか。家族はどんな人たちなのか。マッキーは、サムを一人の人間として、特に黒人男性としてきちんと描けることに興奮していましたね」。
超人的な能力や特異な性質を持ったヒーローとヴィランが多いマーベルの世界において、サムはホークアイ/クリント・バートンやブラック・ウィドウ/ナターシャ・ロマノフに比較的近い、言うなれば“普通の人間”だ。それゆえだろう、アンソニーはファルコンを「観客の目となり耳となる」ポジションだと言っている。「勝負に出ていき、スーパーヒーローたちと一緒に戦う。それがサムの良い一面だと思います。彼は勝負に出られるし、特別なことができる、ごく普通の男なんだってことです」。
ディズニープラス オリジナルドラマシリーズ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」2021年3月19日(金)日米同時配信。
Source: Variety