【ネタバレ】『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』ラストシーン解説 ─ 『ハリポタ』伝説の戦いが再現、アノ人の今後も考察

この記事には、『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』のネタバレが含まれています。

「三つ巴の戦い」が再現?クリーデンスの今後は?
THE RIVERは『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』の公開前、ハリー・ポッターの歴史で今も謎に包まれている「三つ巴の戦い」が劇中で再現される可能性を考察していた。別名「ゴドリックの谷の決闘」という名称で知られるこの戦いは、10代だったアルバスとアバーフォースのダンブルドア兄弟、そしてグリンデルバルドの三者の間で起きた決闘のこと。この戦いの後、ダンブルドア兄弟の妹アリアナは発作により死亡。グリンデルバルドはその場から逃亡し、ダンブルドアとは二度と会うことがなかったと言われていた。
蓋を開けてみると、「三つ巴の戦い」はダンブルドアの語りによって明らかになった。そして、終盤では思わぬ形で「三つ巴の戦い」を再び思い出すこととなった。それはデコボコチームと闇の魔法使いグリンデルバルドの戦いがクライマックスを迎えるブータンでのシーンにある。
これまで前2作で、身を潜めながら信奉者を募っていたグリンデルバルドは、本作で遂に野望のための動きを見せた。国際魔法使い連盟のリーダーを決める選挙への出馬を表明し、魔法界の改革へ本格的に乗り出したのである。これを防ぐべく、ダンブルドア先生は魔法動物学者のニュートに協力を求め、デコボコチームを結成。ニュートたちは、魔法界を牽引すべき真の選ばれし者を決める魔法動物“キリン”を選挙会場に運び届けるため、紆余曲折を経ながらミッションに挑んだ。
ミッションの最終目的地となったのが、キリンのルーツの地でもあるブータン。そこには見物人のほか、グリンデルバルドと他2名の立候補者、ニュートたちデコボコチーム、ダンブルドア先生、アバーフォースと彼の息子であることが判明したクリーデンスが揃った。ニュートたちの作戦が成功し、選挙での不正を暴かれたグリンデルバルドは、最後のあがきとして自分を裏切ったクリーデンスを殺そうとする。しかし、アルバスとアバーフォース、ふたりのダンブルドアがすかざず杖を差し向け、グリンデルバルドが放った呪文を2つの防御呪文が阻止した。これぞまさに、「三つ巴の戦い」の再現ではないか。

ブータンで繰り広げられたこの戦いには、三者それぞれが数十年前の「三つ巴の戦い」を思い出したことだろう。その後再び逃亡したグリンデルバルドの胸中を察することは難しいが、一方でダンブルドア兄弟は思いを一つにしたのではなかろうか。アルバスにとっては甥、アバーフォースにとっては実の息子であるクリーデンスを妹の二の舞にはさせまい、と。その意味で、このクライマックスはダンブルドア兄弟の「償い」を描く象徴的なシーンであった。
気になるのは、死期が迫っていたクリーデンスの今後について。再会を果たした父と子は故郷への帰路についた。果たして、闇の力オブスキュラスを抱えたクリーデンスは生き延びることができるのだろうか。

ところで、力を制御できずに亡くなったとされるアリアナは、クリーデンスと同じくオブスキュリアルであったという説が囁かれてきた。劇中では、これが事実だったことが明かされた。オブスキュリアルが辿る運命は死以外のほかにないとされてきたが、“肉親の愛”が治療法となるのであれば、クリーデンスにも助かる余地があるのではないか。アルバスは、クリーデンスは「もう助からない」と確信していたようだが、愛に触れたオブスキュリアルにどのような影響が及ぶのか、それは彼にとっても未知数だろう。そもそも、魔法界では愛こそが最も強力な魔法なのだ。
また、愛の強さを裏付けるかのごとく、エンディングでは、魔法会の掟に縛られてきた魔女のクイニーとマグルのジェイコブが結婚する。ブータンでのクライマックスからアメリカでの結婚式まで、一貫して“愛”の重要性を語り、幕を閉じた『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』。続く第4作では、ダンブルドア陣営の前に再び脅威が立ちはだかったとしても、その結束力は以前とは違うはずだ。
『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』は公開中。