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『ファンタスティック・ビースト』降板のジョニー・デップ、出演料を満額受け取る方針 ─ 第3作は主役級の予定、代役検討が急務に

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』
©2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights ©J.K.R.

『ハリー・ポッター』魔法ワールドを描く『ファンタスティック・ビースト』シリーズの第3作(タイトル未定)から降板した、ゲラート・グリンデルバルド役のジョニー・デップが、米ワーナー・ブラザースから出演料を満額受け取ることがわかった。金額は少なくとも1,000万ドル以上とみられる。米The Hollywood Reporterが報じた。

かねてより、デップは元妻のアンバー・ハードに対するドメスティック・バイオレンス疑惑が伝えられており、両者は訴訟に発展していた。これは『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016)公開後から判明していたが、ワーナーは第2作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(2018)にもデップを起用している。

しかし2020年11月2日(米国時間)、英国のタブロイド紙「The Sun」がデップを「妻殴り(wife beater)」と形容したことによる名誉毀損裁判でデップが敗訴したのちに、『ファンタスティック・ビースト』第3作からデップの降板が決定。ただしこれはスタジオからの解雇ではなく、ワーナーによる降板の申し出をデップが受け入れたという経緯だ。

報道によると、ワーナーは『ファンタスティック・ビースト』へのデップの出演について、あくまで法的手続きにのっとって進行する方針だった。ただし、The Sunとの裁判において元妻のハードによる証言が認められ、デップが敗れたことで、ワーナー会長のトビー・エメリック氏はデップを降板させる方針を固めたとのこと。原作・脚本のJ・K・ローリングはワーナーの決定に反対していないほか、米Varietyによると、決定にはワーナー・ブラザースの親会社であるAT&Tの意向も関与しているという。

『ファンタスティック・ビースト』第3作の撮影は2020年9月20日に開始されており、グリンデルバルドの登場シーンは複数撮られていたとも、まだワンシーンかぎりだったともいわれるが、いずれにせよデップの出演料は満額支払われることになる。これは、デップがスタジオとの間で、映画が完成しなかろうが、途中降板しようが報酬を満額受け取れる「Pay or Play」契約を結んでいたためだ。

来たる『ファンタスティック・ビースト』第3作は、エディ・レッドメイン演じるニュート・スキャマンダー、ジュード・ロウ演じるアルバス・ダンブルドア、そしてジョニー・デップ演じるゲラート・グリンデルバルドの3人が主役となり、登場時間はそれぞれ同等だといわれる。デップの降板後、公開時期は再度延期されたものの、出番の多さゆえに、製作チームは代役を急ぎ決定せねばならない状況だ。ただしVarietyは、ファンの希望が大きい『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』のコリン・ファレルは、『ザ・バットマン』撮影のために登板は難しいと報じている。

映画『ファンタスティック・ビースト』第3作(タイトル未定)は2022年7月15日に米国公開予定。

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Source: The Hollywood Reporter, Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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