SF大作の原点『ファウンデーション』シリーズ、アップルがドラマシリーズ化 ─ アイザック・アシモフ原作、『スター・ウォーズ』にも影響与えた

『スター・ウォーズ』シリーズなど、数々のSF作品に多大なる影響を与えてきたアイザック・アシモフ著の『ファウンデーション』シリーズ。実写化不可能とまで言われていた本作がついに、アップルによりドラマシリーズ化されることが正式決定した。米Deadlineなど複数のメディアが報じている。
原作『ファウンデーション』シリーズの舞台となるのは未来の宇宙。1万2千年も続いた銀河帝国が崩壊した後に訪れた暗黒時代を終わらせ、より強固な第二銀河帝国を建設するため、2つの「ファウンデーション」が設立される。全部7巻もの超大作で、1950年代に第1巻から第3巻が、1982年から第4巻以降が出版された。日本では、『銀河帝国の滅亡』や『銀河帝国興亡史』の名称でも知られる。
シリーズでは、第一ファウンデーションの隆盛、ミュールと呼ばれる突然変異体との戦い、第二ファウンデーションの秘密、そしてファウンデーション生みの親であるハリ・セルダンの物語が丁寧に描かれた。このたびのアップルによるドラマシリーズでは「3部作」と呼ばれる第1巻から第3巻までを全10話で描く予定である。

RA.AZ https://www.flickr.com/photos/uflinks/4956471570
実現に至るまでの長い道のり
『ファウンデーション』シリーズは、20世紀フォックスやワーナー・ブラザーズ、ソニー・ピクチャーズらによってこれまで何度も実写化が企画されてきたが、この壮大な物語を映画におさめることが困難だと判断され、企画が頓挫。近年では『ゲーム・オブ・スローンズ』(2011-)や『ウエストワールド』(2016-)などを手がけるHBOが実写化を実現しようと試みていた。
このたびのドラマ化は、2017年夏より動いていたもの。スカイダンス・テレビジョンがAsimov Estateより本作の実写化権を獲得。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)のデヴィッド・S・ゴイヤーと、『宇宙戦争』(20015)や『アバター2(邦題未定、原題:Avatar 2)』(2020)の脚本家ジョシュ・フリードマンらが、本作を手がけることが決定していた。その後、2018年4月にアップルが本ドラマの権利を獲得。今回のシリーズ化正式決定の発表に至った。ゴイヤーとフリードマは引き続き製作総指揮を担当し、スカイダンスのデヴィッド・エリソン、ダナ・ゴルドベルク、マーシー・ロスらも製作に携わる。
アップルは、独自の映像配信事業への注力を見せている。本作の他にも、『ラ・ラ・ランド』(2016)のデイミアン・チャゼル監督による新ドラマ、テリー・ギリアム監督のカルト的傑作『バンデットQ』(1981)のドラマ化企画、そして、『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)のオクタヴィア・スペンサー主演ドラマ『Are You Sleeping(原題)』の製作が続々と控えている。
ドラマ「ファウンデーション(邦題未定、原題:Foundation)」がどのような形で配信/放映されるかは現時点で不明。