『シン・シティ』フランク・ミラー、映像作品に本格カムバック ─ イタリアの人気漫画「コルト・マルテーゼ」ドラマ化

『シン・シティ』シリーズの原作・脚本・監督で知られ、『デアデビル』『バットマン』のコミックも手がけてきたフランク・ミラーが、映像の世界に本格カムバックする。イタリアの人気漫画『コルト・マルテーゼ』のドラマ版「Corto Maltese(原題)」で、ミラーが脚本・製作総指揮を手がけることがわかった。米Deadlineが報じている。
『コルト・マルテーゼ』はイタリアの漫画家ユーゴ・プラットが1967年に開始した海洋冒険シリーズで、20世紀前半を舞台に、海賊のコルト・マルテーゼが海を渡りながら活躍するストーリー。1989年に完結したあとも、2014年から幾度となくリブート版のシリーズが刊行されている。劇中にアーネスト・ヘミングウェイやジャック・ロンドンら実在の作家が登場するのも特徴だ。ちなみに、DC映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)の舞台である“コルト・マルテーゼ島”の名前はこの作品から取られている。
若かりし頃、ニューヨークのコミックストアで『コルト・マルテーゼ』を知ったというミラーは、そのアートワークに圧倒され、また「魔法とロマンスにあふれた冒険」に夢中になったそう。「言語が大きな障壁にならないというコミックの力を見せつけられた」といい、それ以来シリーズのファンだと語る。「この作品は最もクラシカルな形式によるヒーローの物語。ロマンティシズムとヒロイズム、そしてプラットの作品に横たわる神秘主義に最大限の敬意を払いたい」。
ミラーによるドラマ版は全6話構成の予定で、フランスの製作会社Studiocanalが製作を担当。VFXの統括には『スター・ウォーズ』『ジュラシック・パーク』シリーズの視覚効果を手がけ、『マッドゴッド』(2021、日2021)の監督・脚本・製作を務めたフィル・ティペットが就任した。製作総指揮にはフランク・ミラーのほか、ジェマ・ロジャースと、ミラー率いるFrank Miller Inkのシーレン・トーマスCEOが名を連ねている。
原作者のユーゴ・プラットは1995年にこの世を去ったが、20年近くプラットと共同作業を務めてきたパトリツィア・ザノッチ氏は、生前のプラットがミラーの作品を高く評価していたことを明かし、「伝説的なクリエイターであるフランク・ミラー以外に、ユーゴ・プラットの世界を再解釈するにふさわしい人はいません。きっとプラットも喜ぶことでしょう」との声明を発表。ミラー版『コルト・マルテーゼ』に大きな期待を寄せた。
Source: Deadline