『マッドマックス』新作、VFXは『怒りのデス・ロード』超え? シドニーに新スタジオ設立、「ジョージ・ミラーのビジョンに尽くすため」

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)の前日譚映画『フュリオサ(原題)』のため、オーストラリア・シドニーに新たなVFXスタジオが設立されることがわかった。米IndieWireが報じている。
本作は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に登場した戦士・フュリオサの若き日を描く、およそ15年にまたがる物語。前作も激しいカーチェイスや竜巻、炎を噴くギターなど、実写・VFXの融合によるめくるめく映像世界が展開したが、本作はそれ以上に野心的な一作となりそうだ。
シドニーにスタジオを設立するのは、イギリスのVFX制作会社・DNEG。近年も『TENET テネット』(2020)や『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021)『ブレット・トレイン』(2022)「ストレンジャー・シングス」シーズン4(2022)など、数々の大作・話題作を手がけるヨーロッパ最大の制作会社だ。CEOのナミタ・マルホトラ氏は、『フュリオサ』のジョージ・ミラー監督の「ビジョンに尽くすべく」新スタジオの設立を決定。まずは同作が主力プロジェクトになることを認めている。
発表によると、新スタジオは2023年前半にオープン予定で、約500人のアーティストを擁する一大拠点となる。クリエイティブ・ディレクターには『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でアカデミー賞候補となり、『TENET テネット』で同賞に輝いた、視覚効果スーパーバイザーのアンドリュー・ジャクソンが就任。設立にあたり、ニューサウスウェールズ州は2億5000万ドル規模の支援を実施するということだ。『フュリオサ』は2024年5月の米国公開予定のため、この場所で約1年間の作業が行われる。
マルホトラ氏によると、『フュリオサ』の仕事がなければ、DNEG社がシドニーとの関わりを持つこともなかったかもしれないという。「一定規模の企業として、小さな店舗を正しく経営するのは難しい。自分たちの技術とインフラ、リーダーシップ性などを最高の形で注ぎ込めるものを必要としていたし、また彼らもその挑戦に臨む存在を求めていたのです」と語る言葉には、新スタジオへの並々ならぬ気合いがうかがえる。
なお、DNEGはこのスタジオをアニメーションやゲーム、メタバースのデザインに活用していく意向。ただし、まずはジョージ・ミラー監督のような才能との関係性を築くことを優先するという。「最高の映画、最高のフィルムメーカーとともにある巨大スタジオに勝るものはありません。素晴らしい映画での仕事、偉大なる作り手のビジョンを具現化する仕事をなるべく長く続けていくことが成功の鍵なのです」とマルホトラ氏は語る。
若きフュリオサ役は『ザ・メニュー』(2022)『ラストナイト・イン・ソーホー』(2021)のアニャ・テイラー=ジョイ。そのほか『マイティ・ソー』シリーズのクリス・ヘムズワース、『Mank/マンク』(2020)などのトム・バーク、『インシディアス』シリーズのアンガス・サンプソンらが出演し、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』リクタス・エレクタス役のネイサン・ジョーンズが続投する。
映画『フュリオサ(原題)』は2024年5月24日に米国公開予定。
Source: IndieWire