『フォードvsフェラーリ』中間管理職ジョン・バーンサル「上下関係はストレスが多い」

存在感ある役者とキャラクターに恵まれた『フォードvsフェラーリ』は、大迫力のカーレースだけでなく、大人のビジネス劇も大きな見どころだ。中でも注目したいのは、ジョン・バーンサルが演じるフォード社マーケティング責任者のリー・アイアコッカ。
ジョンといえば、「ウォーキング・デッド」(2010-)や「Marvel パニッシャー」(2017-2019)など、ワイルドでパワフルな印象がある俳優だったが、『フォードvsフェラーリ』はスーツを着込んだ中間管理職の男に。本社と現場の間で翻弄され、大物エンツォ・フェラーリとの交渉では狼狽する姿を見せるなど、リアルな苦悩と疲労を感じさせる演技を見せた。この魅力的なキャラクターを演じきったジョン・バーンサルによる解説映像が、THE RIVER独占で公開となった。
本作には「どうしても出演したいと思った」と明かすジョンは、ジェームズ・マンゴールド監督について「一緒に仕事をしたいとずっと思ってた」「今後もぜひ仕事をしたい」と心掴まれた様子。中間管理職バーンサルという新たな魅力を引き出したマンゴールド監督との再タッグにも期待が膨らむ。

『フォードvsフェラーリ』が描く物語について「時代を超えた、とても大きなテーマ」でありながら「脚本はユーモアがあって、とても親しみやすい」と絶賛するジョン。演じたアイアコッカは、まさに『フォードvsフェラーリ』が象徴する、ビジネスと現場のジレンマを体現するようなキャラクターだった。「世の中の上下関係は自分の信念を貫き、指示を託した部下を尊重するか、上司のために正しいことをやるか、どちらかだ」と熱弁。「上司に仕えるということは、言いなりでなく 正しいと思う行動を取ることだ。でも、それを分かっていても上下関係はストレスが多い。だから最終的には、友愛の情や誠実さが大切だと本作は伝えている。」
ジョンが演じたアイアコッカは、劇中で副社長のレオ・ビーブとの相容れなさも見せた。ジョンはアイアコッカについて「労働階級の移民二世で、話し方は無愛想だし金髪でも青い目でもない」と説明する。「そんな目立つ存在の彼をビーブは恐れてた。おそらく2人とも互いに相手が嫌いだったと思う。」
映画『フォードvsフェラーリ』は2020年1月10日(金)より全国公開中。
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