X-MEN『ガンビット』企画頓挫、チャニング・テイタム「トラウマになった、マーベル映画が観られない」

20世紀フォックス製作『X-MEN』シリーズには、長らく企画が進められていたにもかかわらず、とうとう実現されなかった単独映画がある。『マジック・マイク』『21ジャンプストリート』シリーズのチャニング・テイタムが主演・製作を務めるはずだった『ガンビット(原題:Gambit)』だ。2014年ごろに企画が始動し、さまざまな形で進められていたものの、ディズニーが20世紀フォックスを買収したのち、2019年に頓挫している。
プロジェクトがお蔵入りになってから約3年、このたびチャニングが『ガンビット』への思い入れや実際の製作状況を明かした。当時、チャニングは自身のプロデュース・パートナーであるリード・キャロリン(『マジック・マイク』シリーズなどを執筆)とともに脚本を完成させており、一時は共同監督を務めることも検討されていたという。
ガンビット/レミー・ルボーは、手に持つ物体に破壊エネルギー(キネティック・エネルギー)を込める能力を持ち、トランプや棒術などを駆使して戦うキャラクター。チャニング&リードによる単独映画『ガンビット』は、『デッドプール』シリーズに近いトーンのR指定作品になる予定だったという。「ロマンティック・コメディのスーパーヒーロー映画を作りたかった。“世界を救うより難しいこと、それは関係を築くということだけ”というテーマ」とはリードの談。『X-MEN』シリーズのプロデューサーであるサイモン・キンバーグも、過去に「最高の脚本」と完成度を絶賛していた。
しかし、『ガンビット』の受難は並大抵のものではなかった。監督には『猿の惑星:創世記』(2011)のルパート・ワイアット、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014)のダグ・リーマン、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのゴア・ヴァービンスキーが起用されるも全員降板し、撮影スケジュールや公開予定日もたびたび延期された。ワイアット監督によると、リブート版『ファンタスティック・フォー』(2015)が興行的失敗を受けたことから「予算が相当削られた」ともいわれている。
こうした中、チャニングとリードが監督を担おうとしていた具体的な時期は明らかになっていない。2019年1月、チャニングが『ガンビット』監督に就任するとの噂が報じられているため、この時期にはなんらかの動きがあったのだろう。しかし、チャニングいわく「スタジオは僕たちに撮ってほしいとは思っていなかった。僕たちには監督経験がまったくないので、別の人を求められていたんです」。
ともあれ、リードによると『ガンビット』の製作は「もう少しのところまで来ていた」という。キャスティングも行われ、製作オフィスも設置され、ニューオーリンズで撮影される予定も決まっていたのだ。それが突如転覆したのは、ディズニーによるフォックスの買収を受け、『X-MEN』シリーズがマーベル・スタジオの手中に収まったあとのこと。「彼らは一から『X-MEN』をデザインし直すべきだと思ったのでしょう」とリードが述べるように、『ガンビット』はディズニーによる査定を通過せず、企画は闇に消えたのである。
これに精神的ダメージを受けたのは、主演・製作・脚本・監督を一手に引き受けることも視野に入れ、長らく企画に取り組んできたチャニング自身だった。
「『ガンビット』がなくなったことが大きなトラウマになりました。マーベルを自分から遮断したので、映画もまったく観られていません。あまりにも悲しかった。演じる準備は万全だったから、まるで友人を失ったようで。」
リードは「ほんとうに素晴らしい企画だから、いつか考え直してもらえることを祈っています」と語る。チャニングも「うん、ガンビットは演じたい」と同意した。「だけど僕たちが監督すべきだとは思いません。あれは自信過剰だったと思うから」。
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Source: Variety