『ゲーム・オブ・スローンズ』スピンオフ、5作品に増加!別の登場人物による「前日譚シリーズ」に
米国のケーブルテレビ局・HBOによって先日発表された、ドラマ・シリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』のスピンオフ・ドラマ4作品についての続報が到着した。今回の情報は、原作者のジョージ・R・R・マーティン氏が自身のブログに書き記したもの。前回の報道では判明しなかった作品の詳細が、新たに明らかにされている。
スピンオフではなく「継承作品」?
マーティン氏は自身のブログに「こんなこと書いてもしょうがないんだが、“スピンオフ”という言葉が好きじゃないんだ。今回の新プロジェクトがその言葉にふさわしいとは思わない」と記している。その主張がもっともなのは、マーティン氏をはじめとした製作陣が『ゲーム・オブ・スローンズ』の舞台であるウェスタロスの“第二のユニバース”を舞台に新たな物語を作ろうと考えているというからだ。
またマーティン氏によると、『ゲーム・オブ・スローンズ』のキャラクターが今回の作品に登場することは一切ないという。彼は「検討しているコンセプトのすべてが続編ではなくプリクエル(前日譚)なんだ。いくつかの作品はウェスタロスが舞台ですらないかもしれない。でも“スピンオフ”とか“プリクエル”っていうより、“継承作品”という言葉が好きだね。私はそう呼んでいるんだ」と記している。
『ゲーム・オブ・スローンズ』の世界観を“継承”しながら、「第二のユニバース」を舞台に、新しい登場人物たちが繰り広げる物語……。確かに、もはやそれを“スピンオフ作品”と呼ぶのは難しそうだ。
作品は合計5本!原作者は全作品に関与
またマーティン氏は、先日の報道を一部否定している。
まず、『ゲーム・オブ・スローンズ』のスピンオフ作品(継承作品)は4本製作されると報じられたが、現在は5本製作される方向に変化しているということだ。先日報じられた4名の脚本家に加えて、「すさまじい才能、洗練された脚本家」が新たに参加するという。しかしHBOとの契約が完了していないようで、名前を明かすことはまだできないとのことだ。なお先日の報道で、マーティン氏は4名中2人の脚本家と共同作業にあたっていると報じられたが、実際には4人全員と共同作業を進めているという。脚本家たちがそれぞれマーティン氏のもとを訪れて、数日間にわたる話し合いに臨んでいるようだ。
ファン熱望、「2つの可能性」を正式に否定
ちなみにマーティン氏は、ファンが『ゲーム・オブ・スローンズ』のスピンオフとして考えうる2つの可能性をきっぱりと否定している。一つは原作小説『氷と炎の歌』の世界を舞台とした中編シリーズ『ダンクとエッグの物語』の映像化だ。現在マーティン氏は同作を3冊執筆・出版しているが、彼は少なくとも7~10冊を執筆したいと考えているそうで、原作がドラマに追い抜かれた『ゲーム・オブ・スローンズ』の二の舞を避けたいという考えなのである(なお、同作は『七王国の騎士』として邦訳版が刊行されている)。
またマーティン氏は、多くのファンが熱望する、まさしく『ゲーム・オブ・スローンズ』のプリクエルである「ロバートの反乱」を映像化することも否定している。「ロバートの反乱」とは、劇中では歴史的事件として語られていながら、その詳細がほとんど描かれていない戦いのこと。原作小説『氷と炎の歌』が完結すれば「ロバートの反乱」で起きた重要な出来事はすべて分かるため、映像化は実現できないということだ。マーティン氏は遅筆で知られているだけに、万が一「ロバートの反乱」が原作より先に映像化されてしまうと困る事情があるのだろう……。
原作小説『氷と炎の歌』にも、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』にも描かれていない物語を、新しい世界で描く“継承作品”は、きっとシリーズのもつ世界観を大きく拡張する内容になるはずだ。メイン・シリーズである『ゲーム・オブ・スローンズ』同様、スケールの大きい内容が期待できるだろう。
ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ 第七章:氷と炎の歌』は2017年7月17日より日米同時放送開始。日本ではスター・チャンネルにて放送される。
Sources: http://grrm.livejournal.com/536859.html
http://theplaylist.net/fifth-game-thrones-spin-offs-works-george-r-r-martin-reveals-details-shows-20170515/
Eyecatch Image: https://www.amazon.co.jp/GAME-THRONES-S-5-OST/dp/B00ZHPTBU8/