『たかが世界の終わり』ギャスパー・ウリエル死去、37歳 ─ スキー中の衝突事故で意識戻らず、遺作は「ムーンナイト」に

『ハンニバル・ライジング』(2007)や『SAINT LAURENT サンローラン』(2014)『たかが世界の終わり』(2016)など、フランスを代表する俳優ギャスパー・ウリエルが、スキー中に発生した衝突事故により37歳で死去したことがわかった。
米Deadlineによると、現地時間2022年1月18日、仏南東部のサボア県でスキーを楽しんでいたウリエルは、スロープ上で他のスキーヤーと衝突。その後、ヘリコプターでグルノーブルにある病院へ搬送されたが、頭部に重度の損傷を負い、意識は回復しなかったという。サボアの現地当局によれば、本格的な積雪によりスキー場では事故が多発しており、数日前には5歳の少女が他のスキーヤーに衝突されて命を落としていたばかりだった。
1997年、13歳で俳優デビューを飾ったウリエルは、ジャン=ピエール・ジュネ監督の映画『ロング・エンゲージメント』(2004)でセザール賞有望若手男優賞受賞を受賞。その後も『パリ・ジュテーム』(2006)やハンニバル・レクターを演じた『ハンニバル・ライジング』(2007)、イヴ・サン=ローランを演じた『SAINT LAURENT/サンローラン』(2014)などで実力を示し、フランスを代表する俳優として今後も更なる活躍が期待されていた。『たかが世界の終わり』で監督を務めたグザヴィエ・ドランは、突然の訃報にInstagramで悲しみを綴っている。
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「考えられない。ありえない。言葉を綴ろうとするだけでとても辛い。あなたの思慮深い笑顔、気配りのある目、傷、才能、聞く姿勢、囁き、そして優しさ。あなたという人間を構成するその全てはきらめきのある美しさから出来ていた。私の人生を変えてくれた人。私が深く愛した人。そしてこれからも愛し続ける人。これ以上は何も言えない。あなたの旅立ちに、打ちのめされています。」
ウリエルはマーベル・シネマティック・ユニバースの新ドラマ「ムーンナイト」への出演を控えていた。演じたのは、ミッドナイトマンというキャラクターだという。ほかエミリ・アテフ監督最新作『Plus que jamais(原題)』、『SAINT LAURENT/サンローラン』のベルトラン・ボネロ監督との再タッグ作『La Bête(原題)』が遺作となる。
ご冥福をお祈りします。
Source: Deadline