【ネタバレ】『ゴーストバスターズ/アフターライフ』ラストシーン解説、アノ人の復活に込められた特別な思いとは

この記事には、『ゴーストバスターズ/アフターライフ』の重要なネタバレが含まれています。本編鑑賞後にお楽しみください。
『ゴーストバスターズ/アフターライフ』では、亡くなった祖父から屋敷を受け継いだスペングラー一家の物語が描かれた。フィン・ウルフハードが演じたトレヴァーとマッケナ・グレイスが演じたフィービーの兄妹は、それぞれ屋敷に眠っていた“お宝”を見つけ、次第に自分たちの出自に気づいていく。そして2人は、1980年代のニューヨークに存在したゴーストバスターズの創設メンバー、イゴン・スペングラー博士の孫だったことを知るのだ。
街にはゴーストたちが再来し、さらにかつてニューヨークに君臨した神、ゴーザまでもが復活を遂げてしまう。祖父たちの活躍が染み込んでいるであろうゴーストバスターズの制服に身を包み、孤軍奮闘ゴーザを迎え撃つフィービーたち。ゴーザが最大に暴れるクライマックスでは、ベンクマンらゴーストバスターズのオリジナルメンバーが応援に駆けつけるも、一筋縄ではいかず。もうダメかと思われた矢先、救世主が出現する。それはフィービー達をずっと見守ってきた、イゴン・スペングラーのゴーストだった。
物語の主人公をオリジナル版からは一新し、シングルマザーの母親と2人の兄妹に設定したことについて、ジェイソン・ライトマン監督は英Empireに「このコンセプトがとても気に入っていました」と語っている。「修復が必要な家族の3世代にわたる映画に仕上げたかった」という監督が着眼したポイントは、「そこにもう存在しない人がいるのに、どうやって修復させるかということ」だった。
イゴン・スペングラー博士を演じ、オリジナル2部作の脚本も手掛けたハロルド・レイミスは、2014年に他界している。2010年代にはシリーズ2作に続く第3作も本格的に計画されていたが、レイミスの死を受けて企画は幻となった。しかし、ジェイソン・ライトマン監督は、レイミス=イゴンの死を物語の着想に、一度は立ち消えたレガシーを復活させたのだ。監督は、イゴンのゴーストを登場させるにあたって、レイミスの遺族と交わした製作当時のやり取りを以下のように振り返っている。
「最初に脚本に目を通したのは、私の父でした。それから、レイミス家に渡っていきました。ハロルドの妻のエリカ、娘さんのヴァイオレットです。私たちは1983年のオリジナル版の現場のセットで顔をあわせていました。彼らには私たちがやりたいことを伝えて、どう行っていくのかを説明しました。セットにも足を運んでいただき、編集室では視覚効果も確認していただきました。完成版も一番早くご覧いただきましたね。最初から最後まで、彼らはこの映画の一員でしたし、私がどれだけハロルドに敬意を払いたいかを感じ取ってくださっていたと思います。イゴンは私のお気に入りのゴーストバスターでした。これはスペングラー家の物語であり、あらゆることにおいて彼に敬意が捧げられています。」
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イゴンの助力もあり、ゴーザを封じ込めることに成功したフィービー達。大団円は、子どもたちとゴーストバスターズの面々に見守られながら、仲違いしていたイゴンとキャリーの父娘によるハグで締めくくられた。このエンディングについて、「それこそが重要でした」とライトマン監督。「この映画は、デス・スターが爆発するような終わり方ではありません。ハグで終わるんです。そのハグが上手くいかなければ、全てが台無しになっていました」とまで語り、ラストシーンに込めた思いを説明した。
ちなみに、イゴン・スペングラーは物語のプロローグとなる冒頭のシークエンスにも登場している。ここでイゴンを演じたのは、『ショーシャンクの空に』(1994)の理不尽な刑務所長役で知られる俳優、ボブ・ガントンだ。レイミスの代役をライトマン監督から頼まれたというガントン。公開後のインタビューでは、「ハロルドは微笑みながら安らかに眠っているでしょう」と故人を偲んでいた。
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Source: Empire,Jim Conlan Chats