【ネタバレ】『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』未解決の謎に隠された「日本」の存在 ─ 実現しなかった幻のシーンから

映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)は、怪獣王ゴジラがハリウッドに再臨する作品であり、同時に『GODZILLA ゴジラ』(2014)『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)と『ゴジラvsコング』(2021)をつなぐ一本だ。まだまだ物語は途中……というわけで、本作には“解決されていない問題”がいくつか存在する。
この記事には、映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』のネタバレが含まれています。

モスラはどこへ消えた?
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の中盤において、モスラは海上に上空から姿を現し、ゴジラへのコミュニケーションを図る。その様子はマーク・ラッセル博士(カイル・チャンドラー)をはじめとするモナークの研究員たちに目撃されたが、その後、モスラは最終決戦までしばらく登場しない。では、モスラはこの間どこに消えていたのか?
モンスターバース作品の“お楽しみ”のひとつは、映画のオープニングあるいはエンディングに用意された、あらゆる情報がこれでもかと詰め込まれたクレジットシーン。本作の場合、エンドクレジットではモスラの新しい卵が発見されたことが明かされる。マイケル・ドハティ監督によれば、モスラは劇中でしばらく姿を消していた間、どこかで卵を産んでいたというのだ。本来、この“新たな卵”を描く構想があったということも。
「実現できなくて本当にガッカリしました。ロケーションも決まっていて、予算もあって、衣裳も作っていましたが、形にならなかったんです。」
このシーンはエンドクレジットのあと、いわゆるポストクレジットシーンとして織り込まれる予定だった。登場するはずだったのは、チャン・ツィイー演じるアイリーン・チェン博士と、双子の妹であるリン博士だ。なんとチェン博士が東京の地に現れ、隠されていた古い寺院を尋ねると、そこに2つ目の卵が保管されているというのだ。そして、その前には、劇中の写真に写っていた双子の少女が……。
本作が劇場公開された後、2020年7月には、ドハティ監督が自身のInstagramにてこのシーンの絵コンテと脚本を公開している。残念ながら本編で描かれなかった、解決されなかった謎のひとつがひっそりと解決していたのである。
脚本と絵コンテには、雨の降る東京の街に現れ、傘をさした人々の間を縫うチェン博士の姿、“ラーメン・バー”の地下にある秘密のトンネル、そこにある「よく知られたヒエログリフ」などが描かれている。チェンとリンはトンネルの途中で合流すると、「柔らかな光」と少女たちの歌声が聞こえる“トンネルの先”へ歩を進めていくのだ。
リン博士が「わくわくする、だけど怖い。彼女たちに準備ができてると思う?まだ若すぎるから」と声をかければ、チェンは「私たちもそうだった」と一言。トンネルの奥に広がった古代寺院は、どこか映画の冒頭に登場した中国・雲南省の遺跡とよく似ている。しかし、こちらのほうが手入れが行き届いている印象だ。そこではチェンの娘たちが、光を発する巨大な卵に向かって歌いかけている。リンが「いつ始める?」と言えば、チェンは「すぐ、もうすぐ」と答える。二人が笑顔を浮かべるや、画面は暗転する。
かつてドハティ監督は、このシーンについて「ソフトか何かに入るかもしれないし、『ゴジラvsコング』に入るかもしれない」とコメントしていた。ソフトには入らなかったが、『ゴジラvsコング』でこの場面が復活したかどうかもファンにはひとつの見どころとなるだろう。
ちなみに『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』では、この場面の代わりに、別のポストクレジットシーンが用意されている。アラン・ジョナ(チャールズ・ダンス)が裏社会の商人と思しき男に導かれ、キングギドラの首と対面すると「私が買い取る」と言い放つのだ。
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Reference: THE RIVER過去記事(1, 2)