『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は「母と娘の物語」 ─ 女性科学者と少女は怪獣といかに向き合うか

ハリウッド版『ゴジラ』シリーズの最新作、映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』について、海外メディアから新たな情報が飛び込んできた。出演者のヴェラ・ファーミガが英Total Filmに語ったところによると、本作は「母と娘の物語」に焦点が当てられているという。
『死霊館』シリーズや『フロントランナー』(2018)で知られるヴェラ・ファーミガが本作で演じるのは、元モナーク幹部の純古生物学者であるエマ・ラッセル。ドラマ「ストレンジャー・シングス」(2016-)のミリー・ボビー・ブラウンが演じる少女マディソンの母親で、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(2016)のカイル・チャンドラー演じる動物学者マーク・ラッセル役の元夫という設定だ。
『GODZILLA ゴジラ』の与えたインパクト
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は、ギャレス・エドワーズ監督『GODZILLA ゴジラ』(2014)の直接的続編だ。前作で描かれたサンフランシスコでの“決戦”は、ラッセル一家に大きな影響を与えているという。ファーミガは、自身の演じるエマについて「何よりもまず、悲しみに立ち向かっている母親です。サンフランシスコへの攻撃は、彼女の家族にはかり知れない影響をもたらした。家族は壊れてしまったんです」と述べている。
前作『GODZILLA ゴジラ』は、アーロン・テイラー=ジョンソン演じるフォードと、ブライアン・クランストン演じる父親ジョー博士による「父と子の物語」が核となっていた。その続編である本作では、ファーミガいわく「母親と娘の関係」が核になっているとのこと。ストーリーの詳細は不明だが、エマ博士は怪獣とコミュニケーションを取ることのできる「オルカ(Orca)」という機械の発明者という設定だ。「オルカ」とはラテン語で「クジラ」という意味だが……。
「(この映画では)男性たちの持つ非常に強力な武器が、侵略するタイタン(Titan)に対してはまったく無力なものとして描かれます。男性が砲弾を放っても、軍事的な武器や大砲、レーザーは怪獣たち(kaijus)にまったく効かないんです。では、何が必要なのか。穏やかな作戦、女性による“育む”という方法なんですよ。」
母と娘の物語、そして二人が関与するであろう怪獣へのアプローチとは? 誰が、なにを、どのように“育む”のか、それが何につながるのかは本編を楽しみにしておこう。
ちなみにマイケル・ドハティ監督は、2018年12月に開催された「東京コミコン 2018」にて、「この映画は“モンスターオペラ”です。『スター・ウォーズ』がスペースオペラであるように」と語っている。「美しく、怖ろしく、そしてエモーショナルなものを作りたかったんです。私たち人類と自然の繋がり、そしてゴジラや怪獣との繋がりという深いテーマがありました」。壮大なテーマを扱った怪獣映画であり、同時に人間ドラマでもある、そのバランスにも期待したい。

映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は2019年5月31日(金)全国ロードショー。
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』公式サイト:https://godzilla-movie.jp/
Source: Total Film 2019 March