『ゴジラvsコング』全米3,000館以上の大規模公開に、映画館の復活を背負って開幕

『TENET テネット』(2020)『ワンダーウーマン 1984』(2020)に続き、ワーナー・ブラザースは『ゴジラvsコング』でアメリカの映画館業界の本格復活に臨む。米Deadlineなどによると、本作は2021年3月31日の米国公開にあたり、全米3,000館、6,000スクリーン以上の大規模公開が実現するという。
『ゴジラvsコング』は2021年3月24日にインド・香港などで最速公開を迎え、すでに中国・韓国・ロシアなど世界38市場で劇場公開中。海外のオープニング興行収入は1億2,310万ドルを記録し、コロナ禍のハリウッド映画として最高の成績を収めた。米国の映画館業界はパンデミックからの復活を目指し動き始めたばかりのため、興行的な滑り出しは未知数だが、報道各社は3月31日(水)~4月4日(日)までの5日間で2,000~3,000万ドルを稼ぎ出すとの予測を発表している。
現在、米国では映画館の約50%が営業を再開している状況だが、『ゴジラvsコング』はそのうちの94%以上で公開される。『TENET テネット』が2,810館、『トムとジェリー』(2021)や『ラーヤと龍の王国』(2021)などの注目作も1,500~2,500館での公開となっていたことを鑑みれば、本作の3,000館超えは注目度の高さを示してもいよう。多くの地域では映画館の収容人数に制限が設けられているが、国内の最大市場であるロサンゼルスでは、まもなく収容人数を定員の25%から50%に引き上げての営業が可能となる見込み。大手映画館チェーンのRegal Cinemasも、実に5ヶ月の休業を経て、4月2日より本作の上映から営業を再開する予定だ。
またワーナー・ブラザースによると、すでに米国では、映画館を貸し切っての『ゴジラvsコング』ウォッチパーティが1万件以上予約されているとのこと。カナダは都市圏の映画館がほぼ休業状態だが、米国でHBO Maxでの同時配信が実施されるのと同じようにオンデマンド配信がスタートする。
ハリウッドにおいて、コロナ禍における初動興収の最高記録を保持しているのは『ワンダーウーマン 1984』の1,670万ドル(3日間)。新型コロナウイルスの第二波が問題視され、ロサンゼルスやニューヨークの映画館が完全に休業しているさなかの劇場公開となっていた。『ゴジラvsコング』の初動記録として予測されているのは5日間のデータであり、大都市の映画館も営業を再開してのスタートとあって、作品の置かれた状況はまったく異なる。結果はいかなるものとなるか、そしてHBO Maxでの同時配信戦略はどう転ぶのか。業界的には非常に重大な局面で、二大巨獣がいよいよ激突する。
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Sources: Deadline, Variety, The Hollywood Reporter