ゴールデングローブ主演女優賞・主題歌賞候補『ハリエット』3月公開決定 ─ 実在の女性運動家、命懸けの奴隷解放描く

第77回ゴールデングローブ賞で主演女優賞・主題歌賞の2部門にノミネートされた、2019年の賞レースを賑わせる注目作『ハリエット(原題:Harriet)』が、2020年3月にTOHOシネマズ シャンテほか全国公開されることがわかった。
本作が描き出すのは、アフリカ系アメリカ人女性として史上初めて新20ドル紙幣に採用された、奴隷解放運動家ハリエット・タブマン。主演を務めたミュージカル界のトップスター、シンシア・エリヴォはゴールデングローブ賞の主演女優賞候補に選ばれ、自ら歌唱した主題歌「スタンド・アップ(Stand Up)」も主題歌賞にノミネートされている。監督は『プレイヤー/死の祈り』(97)などの女性監督ケイシー・レモンズ。
1849年、米メリーランド州ドーチェスター郡にて、“ミンティ”ことアラミンタ・ロス(シンシア・エリヴォ)は農園の奴隷として、幼いころから過酷な生活を強いられていた。彼女の願いはただひとつ、いつか自由の身となって、家族と人間らしい生活を送ること。ある日、奴隷主が急死したことで、借金の返済に迫られた妻と跡取り息子はミンティを南部に売ることを決める。遠く離れた南部に売り渡されたら、二度と家族に会えず、お互いの消息すらわからなくなってしまう。命がけの脱走に踏み切ったミンティは、神の導きと夜空に輝く北極星だけを頼りに、奴隷制が廃止されたペンシルベニア州を目指す。
ついにフィラデルフィアの反奴隷制協会にたどり着いたミンティは、奴隷制度廃止運動家ウィリアム・スティル(レスリー・オドム・Jr)と出会う。ハリエット・タブマンとの新しい名前で、自由な一市民として新たな人生を歩み始めたミンティは、スティルの紹介で、女性実業家マリー・ブチャノン(ジャネール・モネイ)の支援を受けてメイドとして働くようになる。しかし、夫のジョンや、奴隷として酷使され続けている家族とは離れ離れのまま。脱走奴隷だと悟られれば命すら危うい状況で、ハリエットは家族を救い出すためメリーランド州に戻るのだった。
奴隷制度廃止運動家たちの秘密組織、「地下鉄道(アンダーグラウンド・レールロード)」の一員となったハリエットは、奴隷の逃亡を手助けする“車掌”として活躍するようになっていく。そんな中、逃亡奴隷法が制定され、奴隷主たちは州外に逃れた元奴隷を連れ戻せるようになった。自らも追われる身でありながら、ハリエットは何度もメリーランド州に舞い戻り、数多くの奴隷を自由の地へと導いていく。いつしか彼女は、ユダヤの民を率いてエジプトから脱出したモーセになぞらえて、“黒人たちのモーセ”と呼ばれる存在になっていた。
映画『ハリエット(原題:Harriet)』は2020年3月、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー。