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インディ・ジョーンズはヒーローではない ─ ハリソン・フォード「私は普通の人を演じたい」

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル
©2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

『レイダース』(1981)から42年、インディアナ・ジョーンズを演じ抜いたハリソン・フォードは、どうやらインディをヒーローだとは捉えていないようだ。ハリソンは世界中を興奮の渦に巻き込んだ冒険家とどのように向き合っていたのか、米Entertainment Weeklyのインタビューにて明かした。

いよいよ劇場公開を迎えるシリーズ最新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』はハリソンがインディを演じる最後の作品であり、シリーズ完結作でもある。考古学者の教授として教鞭を取るほか、オカルト信仰に精通し、神秘や謎を解き明かすべく世界中を旅する冒険家など、インディは様々な顔を見せてくれたが、ハリソンは40年あまりの間、インディをヒーローとして認識はしてこなかったようだ。その理由を下記のように語っている。

「私はヒーローという言葉は全く使っていないんですよ。なぜなら間違った方向に進んでしまうと思うからです。何年もの間、私は並外れた状況下で、他人の利益のために奮闘する普通の人を演じたいと言い続けてきました。」

確かにインディは颯爽と馬に乗り、華麗な鞭さばきを披露するクールな印象も強いが、『最後の聖戦』(1989)ではショーン・コネリー演じる父親ヘンリー・ジョーンズ・シニアに「ジュニアか?」と訊かれ、「その呼び方はやめてくれ」と恥ずかしそうにするなど、人間臭さも溢れるキャラクターだ。完全無欠のヒーローではなく、普通の男性が家族や仲間とともに旅を共にする過程で、様々なトラブルや窮地を脱していく様に、観客はスリルを感じ、魅せられてきたのかもしれない。

しかしながら、『魔宮の伝説』(1984)でショート・ラウンド役を演じたキー・ホイ・クァンは、「ショート・ラウンドのスピンオフ作品が実現したら、インディの後を追って考古学者になっているかもしれない」と、インディへの揺るがない憧れを口にしており、『運命のダイヤル』でインディの宿敵フォーラーを演じたマッツ・ミケルセンもハリソンを「素晴らしい怪物」と絶賛。インディの友人役を演じるアントニオ・バンデラスもハリソンを「セットの中でも外でも紳士」と賞賛するなど、観客のみならず、多くの俳優から見て、インディそしてハリソンはヒーロー的存在に違いないだろう。

『運命のダイヤル』の監督・脚本は『LOGAN/ローガン』(2017)『フォードvsフェラーリ』(2019)のジェームズ・マンゴールド。長きにわたりシリーズを支えてきたスティーブン・スピルバーグはプロデューサーの立場に回っている。キャスト&スタッフに新たな顔ぶれを迎えた本作で、ハリソン演じるインディはどんな活躍を見せてくれるのか。

映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』は2023年6月30日(金)公開。

Source: Entertainment Weekly

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Yuka ShingaiYuka Shingai

携帯向け音楽配信事業にて社内SE、マーケティング業務に従事した後、妊娠・出産を機にフリーライターに転向。 映画とお酒と化粧品が好き。日課のオンライン英会話でもしょっちゅう映画の話をしています。

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