クリス・ヘムズワース、リブート版『ゴーストバスターズ』撮影前夜に降板しかけていた ─ 「現場に行くのが本当に怖かった」

『アベンジャーズ』『マイティ・ソー』シリーズのクリス・ヘムズワースが、リブート版『ゴーストバスターズ』(2016)を出演前夜に降板しかけていたことを明かした。米Varietyのロングインタビューで、クリスは当時の様子を回想している。
クリスが出演したリブート版『ゴーストバスターズ』といえば、ダン・エイクロイドやビル・マーレイらの出演した『ゴーストバスターズ』シリーズを、出演者を女性に一新して描いた作品。クリスのキャリアにとっては、コメディ俳優としての路線を切り開いた重要な一作でもある。
「撮影に入る前日の夜、あわや降板ということになっていました」。その理由は、脚本・監督のポール・フェイグとの約束が果たされなかったことにあったという。「3~4週間前、ポールには“(脚本に)役柄について詳しく書き込みます。心配しないで”と言われていたんです。だけど脚本をもらったら、何も変わっていなくて」。
そこでクリスのエージェントであるブライアン・ロード氏は、フェイグ監督との土壇場の話し合いに及んだという。ところが監督には、“クリスの即興演技で作れることがたくさんある”という確信があったとのこと。いわばクリス側は、最終的にフェイグ監督を全面的に信頼する道を選んだのだ。
「セットに入るのがものすごく怖かったですよ。本当に何ひとつ(演技の)プランがなかったんです。だから、とにかく周囲からヒントをもらっていました。とんでもないなと思いましたよ。」
フェイグ監督の読みは大当たりすることになる。リブート版『ゴーストバスターズ』にて、クリスは「新境地を切り開いた」として高く評価され、当時のソー役をはじめとするイメージを一新。即興演技とコメディの要素は、のちに『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)などにも継承されていく。今では、クリスも『ゴーストバスターズ』続編について「やりたかった」との意志を示しているのだ。
ところがリブート版『ゴーストバスターズ』は、公開当時、出演者を女性に一新したことなどから、作品の内容とは関係ない部分で差別的なバッシングが繰り広げられて問題となった作品である。興行面もスタジオの期待には及ばず、2019年6月現在、女性版の続編が製作されるとの話題は聞かれていない。クリスは当時、バッシングに及んだ人々に対して強い怒りを抱いていたという。
「“お前たちにキャラクターのどんな所有権があるんだよ?”って思いましたよ。“映画は観たんだよな?それなら今後について言う権利はあるはずだけど”って。本当に残念だったし、ガッカリしましたね。」
『ゴーストバスターズ』で花開いたクリスのコメディ演技は、『ゴーストバスターズ』と同じく人気映画の新作として発表される『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019年6月14日公開)でも健在だ。しかしクリスが演じたケヴィンをもう一度観てみたいというファンも多いだろう。何より実現すれば、今やすっかり主演俳優であるクリスが、アンサンブルとしてのびのびと演じる絶好の機会になるはずなのだ…!
リブート版『ゴーストバスターズ』ブルーレイ&DVDは発売中。
Source: Variety