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トム・ホランド、『スター・ウォーズ』フィン役のオーディション中にうっかり爆笑していた

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム バリ 記者会見 トム・ホランド
©THE RIVER

マーベル・シネマティック・ユニバース版『スパイダーマン』シリーズでおなじみのトム・ホランドは、ハリウッドの次代を担う新たなスター俳優だ。しかし、子役時代からミュージカルなどで活躍し、今では世界的人気を博するヒーローを演じているトムでさえ、そのキャリアは常に順風満帆とはいかなかったようである。

Backstage Magazineの取材にて、トムは『スター・ウォーズ』フィン役のオーディションを受けていたことを明かしている。「オーディションの怖い話はありますか?」との質問に、トムは「いくつかあります」と回答。時には、参加した作品とはまったく別のセリフを言ってしまったこともあるというが、『スター・ウォーズ』では別の種類の失敗をやらかしてしまったようで……。

「僕が覚えているのは『スター・ウォーズ』のオーディションです。ジョン・ボイエガが演じた役を4~5回受けていたんですが、ある女性と一緒になったことがあって、彼女はドローン役だったんですよね。僕が“船に戻らなきゃ!”って言ったら、彼女が“ピー、ピッピッ、ピーポー”とか言い出して。もう、それで笑いが止まらなくなっちゃったんです。めちゃくちゃ面白くて。」

ドロイドを演じる相手の演技に爆笑してしまったトムは、その結果を「もちろん落ちました」と振り返った。「本当に申し訳なかったと思います。だって彼女は、アンドロイドなのかドローンなのか、そういう役をきちんと演じようと一生懸命だったんだから」。ちなみにトムといえば、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)の空港シーンで「ねえ知ってる? 超古い映画なんだけど、『帝国の逆襲』!」というセリフを口にした後も『スター・ウォーズ』オリジナル3部作を観ていなかったという強いエピソードの持ち主である。

トムは『スター・ウォーズ』だけでなく、アンセル・エルゴートが主演を務めた犯罪映画『クリミナル・タウン』(2017)も印象に残っているという。トムは同作を「青年としてのキャリアの足がかりになる、自分のための映画だと思っていた」といい、実際に合格の手前までオーディションを勝ち進んでいたのだ。ところが、結果は不合格。打ちのめされ、怒りを覚えていたトムに、父親は“拒絶されることへの対処法”をアドバイスしたという。

「父はとても優しくて、“これは成功までの過程なんだ”と言ってくれました。“毎回いつも勝利していたら、勝利が敗北につながってしまう”と。つまり、ゴルフを毎日4アンダーで打ててもつまらないということです。失敗があるからこそ、勝利を勝利と思えるんだって。」

『スター・ウォーズ』にせよ『クリミナル・タウン』にせよ、オーディションの時期はトムがスパイダーマン役を勝ち取るよりも前の話である。おそらく『スター・ウォーズ』に出演していたら、トムがスパイダーマンを演じることはなかっただろう。もし『クリミナル・タウン』に出ていたら、スパイダーマン役のイメージを『悪魔はいつもそこに』(2020)や来たる最新作『チェリー』(2021)で覆すようなイメージの転換も難しかったかもしれない。そんなふうに考えてみると、トムのキャリアはまさしく運命的なものかもしれないと思えてくるではないか。

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Source: Backstage Magazine

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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