ハリー・ポッター、ロード・オブ・ザ・リング、DCを「まだ十分に活用できていない」とワーナーCEO ─ 新戦略への熱意語る

『ハリー・ポッター』『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ、そしてDCコミックス。ワーナー・ブラザースの保有する巨大フランチャイズは、まだうまく活用できていない……。ワーナー・ブラザース・ディスカバリーのデヴィッド・ザスラフCEOが現状認識を述べた。米The Wrapが報じている。
2023年9月6日(米国時間)、ザスラフ氏はゴールドマン・サックス主催「Communacopia + Technology Conference」に登場。その壇上にて、「ワーナー・ブラザースの大きな強みのひとつは、自社の保有する素晴らしいIP(知的財産)です。しかし我々の課題は、その素晴らしいIP──『ハリー・ポッター』やDC、『ロード・オブ・ザ・リング』──を十分に活用していないこと」と語った。
ザスラフ氏が改めて指摘したのは、以前のワーナーが抱えていた問題だ。過去10年にわたり、スーパーマンをうまく扱えていないこと。スピンオフにあたる『ファンタスティック・ビースト』シリーズやゲーム『ホグワーツ・レガシー』は発表したものの、原作に基づく『ハリー・ポッター』を10年以上手がけていないこと。『ロード・オブ・ザ・リング』もまた同じだった。
しかし2023年現在、ワーナーはこれらすべてを同時に再起動しようとしている。ジェームズ・ガン&ピーター・サフラン率いるDCスタジオによる、10年におよぶDCユニバースの新計画。同じく、10年にわたり展開予定の『ハリー・ポッター』ドラマ版。そして『ロード・オブ・ザ・リング』新作映画シリーズだ。ザスラフ氏は「これらの実現には大きな株主価値があると考えています」とも述べた。
その背景には、ザスラフ氏がワーナー・ブラザースの過去20年間について、これらのブランドを抜きにすれば「(業績が)比較的横ばい」だと見ている現実がある。だからこそ、『ハリー・ポッター』や『ロード・オブ・ザ・リング』、DCコミックスを「弊社の大きな差別化要因のひとつ」であり、それゆえに「使いすぎてしまわないよう注意しなければならない」と強調するのだ。
「これらのフランチャイズを加えれば、ワーナー・ブラザースは世界で最も優れたスタジオです。だからこそ最高の資本を投入し、世界で最もクリエイティブな人材とともに取り組まなければならないのです。」
はじめにお披露目となるのは、ガン&サフランによる新生DCユニバース。2024年には複数のテレビシリーズが始動し、2025年にはガンが自ら監督・脚本を務める『スーパーマン:レガシー(原題)』が公開される予定だ(なお、全米脚本家組合・全米映画俳優組合のストライキにより遅延の可能性はある)。
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Source: The Wrap