これイケアで売ってるの?ホラー映画に登場するキャラクターの“組み立て説明書アート”がユーモラス&クール
皆さんは“イケア”をご存知だろうか?
イケア(IKEA International Group)は、スウェーデンを発祥とする世界最大の家具量販店であり、現在はヨーロッパ、北米、アジア、オセアニアなど世界各地に進出を遂げている。主に郊外においての大規模店舗運営という方針を採っているため、都心部ではあまり見掛けないが、現在日本では以下の9店舗が営業されている。
- IKEA Tokyo-Bay(千葉県船橋市)
- IKEA 神戸(兵庫県神戸市)
- IKEA 新三郷(埼玉県三郷市)
- IKEA 福岡新宮(福岡県糟屋郡)
- IKEA Touchpoint 熊本(熊本県熊本市)
- IKEA 港北(神奈川県横浜市)
- IKEA 鶴浜(大阪府大阪市)
- IKEA 立川(東京都立川市)
- IKEA 仙台(宮城県仙台市)
また新店舗として、IKEA 長久手(愛知県長久手市)が2017年の秋にオープン予定だそうである。詳しくはIKEAのウェブサイトを御覧いただきたい。
さて、このイケアというブランドは、低価格、デザイン性、アフターサービスを特徴として世界的に浸透しているのだが、日本における一般的な家具店とは、購入の手順がやや異なっている。まず、モデルルームで各商品が実際に部屋に置かれている様子を確認し、実際の使用感を想像しながら欲しい商品を選んでゆく。次に、展示された商品に付けられた番号を頼りに、別エリアにある倉庫から、希望する商品を自分でピックアップしてレジへ向かう。配送依頼は商品を購入したあと、別途配送窓口にて行う。いわゆるセルフサービスのスタイルを採用しているのである。
そしてもうひとつの特徴は、購入した家具の組み立て説明書にある。イケア製品の組み立て説明書は世界共通のため、組み立ての注意点や手順が主にイラストのみで説明されているのだ。例えば、組み立てにあたっての注意点は以下のように表現されている。

ホラー映画のキャラクターの“組み立て説明書”
この説明書のスタイルに目をつけたアーティストのエド・ハリントンは、イケアのイラスト説明書をパロディ化したアート作品を制作している。その内容は、米国のポップカルチャー、特にホラー映画のアイコニックな登場キャラクターがもしイケアで売っていた場合の“組み立て説明書”である。非常にユーモラスでクールなクオリティに仕上がっているので、ぜひご覧いただきたい。
『ザ・フライ』
最近リメイクの話も飛び出している、デヴィッド・クローネンバーグ監督の『ザ・フライ』。完成品イメージと付属品と注意点である。確かに実にわかりやすい。組み立ての手順は記されていないが、それは「本編を観てね!」ということだろう。このハエ男における注意点は非常に重要で、続編にも関わってくるね……、ちょっとゾッとする。
『シザーハンズ』
ティム・バートン監督の『シザーハンズ』から、ジョニー・デップが演じるエドワード・シザーハンズの組み立て方。あの手には大小のハサミが必要なのね、なるほど。
『ザ・リング』
日本でもおなじみの『リング』をハリウッドでリメイクした、ゴア・ヴァービンスキー監督の『ザ・リング』から、サマラ・モーガンの組み立て方。簡単そうに書かれているが…、たぶんこれ、とんでもなく厄介な工程だろうなあ。
『エイリアン』
2017年公開の最新作『エイリアン: コヴェナント』が話題となっているが、その『エイリアン』フランチャイズの記念すべき第一作目、リドリー・スコット監督の『エイリアン』から、ゼノモーフの組み立て方。コチラ側でやることはほとんどないけれど……完成後に、購入者は確実に死にます。
『13日の金曜日』
ホラー映画と言ったら必ず出てくるコイツ、『13日の金曜日』シリーズからジェイソン・ボーヒーズの組み立て方。注意点として、前述の『ザ・フライ』と同じアイコンが登場しているが、意味合いが大きく異なっているところが注目のポイント。
『エルム街の悪夢』
コチラもおなじみ『エルム街の悪夢』シリーズからフレディ・クルーガーの組み立て方。なかなか細かいけれど、最後の「眠ってはいけない」というのは、完璧な注意点だね。
『チャイルド・プレイ』
米国では2017年に最新作『カルト・オブ・チャッキー(原題:Cult of Chucky)』の公開が予定されている『チャイルド・プレイ』シリーズからチャッキーの組み立て方。付属品の人間はもちろん、“湖畔の紋殺魔”こと殺人鬼のチャールズ・リー・レイだね。ちなみに第一作目でチャールズ・リー・レイ役を演じたブラッド・ドゥーリフはシリーズ全作品でチャッキーの声を担当していて、もちろん最新作にも出演しているそうである。
『羊たちの沈黙』
こちらはなかなかコアな商品、ジョナサン・デミ監督の『羊たちの沈黙』からバッファロー・ビルの組み立て方。メンガタスズメが42匹も付属してるよ…、こわっ。
『グレムリン』
続編の製作も噂されているジョー・ダンテ監督の『グレムリン』からは、悪いグレムリンの組み立て方。たぶん説明書がなくても、誰でも組み立て方を知ってるかもしれない。あくまで“ストライプ”ではないんだね。
一連の商品を見ていると必ず“レンチ”が付属しているけれど……レンチいらなくねえ? というところが、この作品群の面白いところでもある。エド・ハリントンは、他にも様々な作品を制作していて、さらにはその販売も行っているので、興味を持った方は彼のウェブサイトをぜひ訪れていただきたい。
ちなみに、イケアの組み立て説明書をテーマに作品を制作しているアーティストは他にもけっこういるらしいので、最後にその一部をご紹介したい。
例えばイラストレーターのスティーヴ・ダウナーが制作しているのはスーパーヒーロー版。バットマンやスパイダーマンのイケア的説明書アートだ。
また別のアーティストは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアン、『ジュラシック・パーク』の恐竜、『スター・ウォーズ』のライトセーバーなどのイケア的説明書アートを製作している。

こうした作品は、ここで紹介した以外にも色々あるみたいだから、気になる方は広大なインターネットで探してみたらいいかもね。ただし、イケアに直接問い合わせても十中八九教えてくれないと思うので、あしからず。
Eyecatch Image: https://www.instagram.com/p/ugtN8vmnCB/ (Instagram: @nothinghappenedtoday)
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