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マーベル・スタジオ、2代目アイアンマン「アイアンハート」映画化を企画中か ― 脚本は完成済み?

マーベル・スタジオが、トニー・スタークに次いでアイアンマンのスーツを着る“2代目アイアンマン”ことアイアンハートの映画化を進めている可能性が浮上した

アイアンマンの後継者となるアイアンハートの物語が発表されたのは2016年7月のこと。トニーがアイアンマンを引退し、彼をしのぐほどの頭脳を持つ15歳の天才少女リリ・ウィリアムズが、自ら作り上げたスーツでヒーローとなるのだ。その物語は2016年11月から米国で刊行された「Invincible Iron Man」に描かれている(当時の記事はこちらこちらをご参照いただければ幸いである)。

映画『アイアンハート』、脚本は完成済み?

火のないところに煙は立たない。アイアンハートの映画化企画についてささやかれた背景には、実は非常に有力な根拠があった。ハリウッドの未発表・未映画化脚本が選出される「ブラックリスト」に、『Ironheart(原題)』なる脚本が登録されたのである。

「ある若いアフリカ系アメリカ人の少女が人々への望みを失った時、彼女はトニー・スタークの助けを得て、スーパーヒーローになるため人生を捧げる。しかし彼女は、自分自身こそが最悪の敵であることを知らなかった」。このあらすじを読むかぎり、この脚本は明らかにマーベル・シネマティック・ユニバースのそれであろう。執筆したのはジャダ・ロドリゲスという名前の知られていない人物。しかし「ブラックリスト」のスタッフいわく、本作は「先週読んだなかで最高の一本」との出来栄えだったという。

この情報を受けて、米That Hashtag Showは、マーベル・スタジオが『アイアンハート』の企画を進めている可能性に言及している。なぜならアイアンハート、トニー・スタークというキャラクターはマーベルが権利を保有しているもので、勝手に映画化することはもちろんできないからだ。したがって、この脚本はマーベルの依頼を受けて執筆されたものではないかというのである。確かに筋は通っている…!

2019年公開『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』をもって、2008年『アイアンマン』に始まったマーベル・シネマティック・ユニバースの物語はいったん終わりを迎える。数人の出演者が“卒業”の意向を示すなか、アイアンマン役のロバート・ダウニー・Jr.も同作をもって出演契約を満了するのだ(契約が更新されるかどうかは不明)。その後の展開は未知数だが、“ヒーローの世代交代”というコミックのストーリーを映画版が踏襲することは十分にありうるだろう。『ブラックパンサー』(2018)に天才少女シュリが登場した際、リリ・ウィリアムズを思わせるという声も少なからず聞かれていた。

2018年7月21日、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)やそのファンに大きな衝撃を与えるニュースが入ってきた。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3(邦題未定、原題:Guardians of the Galaxy Vol.3)』を手がける予定だったジェームズ・ガン監督が、過去の発言を理由に同作から解雇されたのだ。同作は今後のMCUへの“橋渡し”とするものだったともいわれているため、今後の動向には一抹の不安がよぎる。

ジャダ・ロドリゲスという人物による『アイアンハート』の脚本は本当に映像化されるのか、そもそもこの脚本はどういう経緯で誕生したのか。詳細はわからないことだらけだが、今の状況においてこの知らせはファンにとっての希望となりうるものだろう。ポップカルチャーの世界は――もちろんそれ以外の世界も――常に明るい話題ばかりとは限らない。しかしそんな時こそ、未来の可能性にも少しだけ目を向けてみたい。そこには思わぬ展望が広がっているかもしれないのだ。

Source: The Black List, THS

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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