『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』製作陣、『ブラックパンサー』撮影に参加していた ― ワカンダのシーン作るため

2008年『アイアンマン』に始まったマーベル・シネマティック・ユニバースは、いまや数々の作品からひとつのストーリーを織りなす巨大シリーズとなった。また2018年、ワカンダの国王ティ・チャラ/ブラックパンサーを主人公とする単独映画『ブラックパンサー』と、一連の集大成である『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は、2ヶ月と間隔を空けずに日本公開される。
緻密なストーリーテリングと、ほとんど隙間のない製作・公開スケジュール。ハリウッド随一の映画会社となったマーベル・スタジオは、こんな前人未到の取り組みをいかにして実現したのだろうか。その背景には、「マンパワー」がものを言う制作現場で努力を重ねるスタッフの存在があったようだ。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のスタッフは、同時期に撮影されていた『ブラックパンサー』の撮影現場を訪れて、一緒にワカンダという場所を作っていったという。
いくつもの映画が「舞台」「登場人物」を共有する
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の予告編を一度でも見るとわかるように、同作には『ブラックパンサー』の主な舞台であるティ・チャラの故郷ワカンダが大々的に登場する。しかし『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)でわずかに描かれたものの、ワカンダがどのような場所なのかは『ブラックパンサー』まで“お預け”となっていた。
したがって、アンソニー&ジョー・ルッソ監督をはじめとした『インフィニティ・ウォー』の製作チームは、同時期に撮影を行っていた『ブラックパンサー』チームと共同でワカンダという場所を作っていく必要があったのである。
米io9のインタビューにて、『ブラックパンサー』のライアン・クーグラー監督は、スタッフ同士のコミュニケーションをこのように振り返っている。
「(『インフィニティ・ウォー』の)美術チームとVFXチームがやってきて、僕や、こっちの美術・VFXチームと一緒に作業をしていましたね。質問をしてくれました。それから脚本家の方々も、執筆しながら気になったことを尋ねてくれて。たとえばどんなシーンなのか、ワカンダには何があるのか、出来事が起こるのはどこなのか。だから、僕たちもワカンダを作り込みながら、彼らが追ってこられるように、そのすべてを伝えていたわけです。」
すなわちマーベル側は、ワカンダの造形をあくまで『ブラックパンサー』チームに委ねようとしていたのだ。作品の規模こそ『インフィニティ・ウォー』の方が大きいものの、単独映画で丁寧に作ったものを合流させるという流れに力点が置かれていることがよくわかる。
また、『ブラックパンサー』をベースに『インフィニティ・ウォー』へと発展させていく作り方は、『インフィニティ・ウォー』のスタッフと『ブラックパンサー』の出演者が早くからコミュニケーションを重ねていたらしいことにも現れているだろう。
「彼らはなるべく俳優とも一緒に過ごすようにしていましたね。(『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に)何が必要なのか、丁寧に準備できただろうと思いますよ。」
『ブラックパンサー』に登場したキャラクターの多くは、そのまま『インフィニティ・ウォー』でも姿を見せることになる。ワカンダという場所、そこにいる人物を「作品ごと」ではなく「ユニバース全体」のものとして作り上げるため、地道な作業が行われていたというわけだ。
映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は2018年4月27日より全国ロードショー。
なお、『ブラックパンサー』は2018年3月1日より全国の映画館で公開中だ。
Source: https://io9.gizmodo.com/how-the-teams-behind-black-panther-and-infinity-war-wor-1822666366
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