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「昔のソーに戻さないで」ソー役クリス・ヘムズワース、『インフィニティ・ウォー』で『バトルロイヤル』のキャラ造形にこだわっていた

©THE RIVER

映画『マイティ・ソー』『アベンジャーズ』シリーズでソー役を演じてきたクリス・ヘムズワースは、『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)でタイカ・ワイティティ監督と作り上げた“新しいソー像”に強いこだわりを持っていたようだ。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』でも新しいキャラクター造形を維持できるよう、彼は自ら監督に進言していたという。

2017年12月、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の撮影現場で行われたインタビューにて、ヘムズワースは本作で描かれるソーのキャラクターについて語っていた。豪News.com.auが伝えている。

「昔のソーに戻さないで」

2011年『マイティ・ソー』は、ケネス・ブラナーを監督に迎えた、ウィリアム・シェイクスピア作品を彷彿とさせる映画だった。同作でブラナーが採用したのは、コミカルな部分こそ周囲との対比からにじませるものの、基本的には家族や社会との関係の中で悩める王子としての姿だったのである。
しかしヘムズワースは、作品を重ねるにつれ、こうしたソーの造形に限界を感じていたようだ。「このキャラクターを演じるのに飽き飽きしていた」とすら述べている彼は、『マイティ・ソー バトルロイヤル』で、ワイティティ監督と共同でキャラクターを大胆に刷新。長髪を切り落とし、ユーモアやジョークを交えながら、従来とは異なるアプローチで従来同様の“人間らしさ”を獲得するに至ったのだ。

「この作品(『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』)に入ってから、アンソニーとジョー(・ルッソ監督)に言いましたよ。“昔のソーに戻さないで。新しいソーを作ったから”って。」

『マイティ・ソー バトルロイヤル』のプロモーションで、ヘムズワースは新たなソー像を気に入っていること、その思い入れをたびたび語ってきた。『インフィニティ・ウォー』でも、彼はその方向性を推し進めていきたいと考えていたようだ。しかしヘムズワースの進言に対して、ルッソ監督はソーを再び刷新する意向を伝えたのだという。

「“ノー、ノー、ノー”って感じでしたよ。タイカ(・ワイティティ)と作ったものを必死に守ろうとしてましたね。そしたら二人は、“いや、この映画は(従来とは)まるで違うんです。ソーはこんなものと対峙したことはないし、こんなに大きなアンサンブルに加わったこともない”って。キャラクターにとっては厳しい作品ですけど、僕にとってはすごくエキサイティングな冒険ですよ。」

ルッソ監督はワイティティのアプローチを絶賛しており、きちんと本作にもユーモラスな側面を取り入れたと述べている。本作で新たなキャラクター造形を「進化させた」というヘムズワースは、過去の『アベンジャーズ』2作品にはなかった満足感を得ることができたようだ。

(過去2作品では)自分のすることに行き詰まってしまって、できるかぎりのことをやれなかったと感じていました。今回の経験はすごく良かったですよ。新しい挑戦に少し自信が持てたし、僕の意見にも何かの価値があるかもしれないと思えて。」

ちなみに新たなソー像を喜んだのは、トニー・スターク/アイアンマン役のロバート・ダウニー・Jr.も同じだった。「クリスとタイカがやったことはすごく新鮮だった」と述べ、その魅力をこう語るのだ。「彼(ヘムズワース)は、愉快さと深さを同時に表現できるんです。」

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は2018年4月27日より全国ロードショー

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』ウェブサイト:http://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-iw.html

Source: News.com.au

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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