『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』削除されたサノスの背景、新事実が判明 ─ カットされた理由、脚本家が明かす

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)からカットされた、“最凶のヴィラン”サノスのバックストーリーについて、脚本家のクリストファー・マルクス&スティーブン・マクフィーリーとアンソニー&ジョー・ルッソ監督が新たな事実を語った。
これまで、ルッソ監督をはじめとする製作チームは、『インフィティ・ウォー』から削除されたサノスの背景を折に触れて語ってきた。初期の脚本はサノスの視点から展開する250ページ以上の大長編だったというが、その案は見送られ、あらゆる試行錯誤を経て完成版のストーリーに至っている。作り手たちの結論は、サノスの過去や内面をなるべく描かないという方法だった。しかし米Backstory Magazineによれば、製作途中には「若きサノスが、惑星タイタンで自分の主張が正しいことを説明しようとする回想シーンが執筆されていた」という。
かつてマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、若き日のサノスが、故郷であるタイタンの滅亡を予見していながらも救うことを許されず、それゆえに故郷を失った設定であることを明かしていた。資源を使い切ってしまったタイタンを目の当たりにして、サノスは宇宙の星々を旅しては、生命を半分に減らしてきたのだ。しかし今回、マルクスは、この背景こそが本編から削除された一因であったことを明かしている。
「(『スーパーマン』の)クリプトン星でジョー=エルが自分の主張を力説していたのに似すぎていたんですよ(編注:ジョー=エルはクリプトン星の崩壊を悟りつつ、星を救うことができない)。そういうことは、必ずしも見せることなく示唆できるものです。」
なお同誌によると、削除されたサノスの回想シーンは、タイタンに戻ってきたサノスが、アイアンマンやスパイダーマン、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの急襲を受ける直前に用意されていたという。サノスとドクター・ストレンジがわずかに言葉を交わす中、在りし日のタイタンの幻が浮かび上がるが、これはカットされた場面の名残ともいうべきものだったのだろう。
マルクス&マクフィーリーは、サノスの背景をバッサリと削除した代わりに、幼いガモーラとの歴史を少しずつ示していくことにした。たったひとつの出来事を見せるだけで、サノスとガモーラの間にあった歴史を示唆するという、回想でストーリーを丁寧に描き込んでいくのとは真逆の方法だ。マクフィーリーは「(ひとつの出来事を扱うことで)それ以上のことを描いています。彼が犠牲にせねばならなくなる、娘との関係性を強調するものですから」と語った。
映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』MovieNEXは発売中。『アベンジャーズ/エンドゲーム』MovieNEXは2019年9月4日(水)発売。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html
Source: ComicBook.com