『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』と『アベンジャーズ4』なぜ撮影は別々に行われたのか? 監督が過酷な舞台裏を語る

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)と『アベンジャーズ』第4作(正式タイトル不明)は、企画発表当時は「インフィニティ・ウォー パート1/パート2」と題された2本の映画だった。のちに企画は変更されて2部作という形式ではなくなったが、それでもこれら2作品は同時に撮影される見込みだったのである。
しかし結果として、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』と『アベンジャーズ』第4作の撮影は分けて行われることになった。前者の撮影は2017年1月から7月まで、その後わずかな小休止を挟んで、後者の撮影は2017年8月から2018年1月まで実施されている。しかし、なぜ作品の内容だけでなく製作そのものも分けなければならなかったのか。米Colliderの上映イベントでは、アンソニー&ジョー・ルッソ監督が過酷な製作舞台裏の一端を明かしている。
「全員のエネルギー、体力が奪われていった」
これまでルッソ監督は、『インフィニティ・ウォー』と『アベンジャーズ』第4作が“前後編”ではなく独立した2本の映画であることを強調してきた。それゆえタイトルは「インフィニティ・ウォー パート1/パート2」ではなくなったわけだが、それほどまでに内容が異なる映画を一緒に撮るという計画は、スタッフたちに大きな負荷をかけることになっていたようだ。
アンソニー監督は、それぞれの撮影を分けるという判断を製作の初期段階で下したことを明らかにした。
「2本の映画はすごく規模が大きくて、非常に複雑で、その…両方に出てくるキャラクターもいるので(笑)、ふたつを混ぜ合わせて、ある意味で一緒くたに作ろうと考えていたんです。でも撮影が近づき、制作が深まっていくにつれて、これはあまりにも複雑かつハードだから、僕たち自身の作業と、関わる全員の作業がクリエイティブの面でぶつかってしまうと思ったんです。そこで(作業自体も)ふたつに分ける必要が出てきました。まったく別物の映画なので、別物の映画として扱いたいと思ったんです。」
一方のジョー監督は、当時の舞台裏をもう少しだけ詳しく語る。
「製作の打ち合わせが始まったんですが、それが9~10時間くらい続くんですよね。一本の映画について話し合ったあと、その次回作について話し合わなきゃいけないので。そういう作業に入ると、どのシーンがどっちの映画に入るのかでみんなが混乱し始めて、全員のエネルギーや体力が奪われていったんですよ。」

結果として、前述の通り、ふたつの映画は連続で撮影されることになった。アンソニー監督は「止まることなく丸一年撮っていました。ものすごく集中していたし、とても大変だったし、チャレンジングな一年間でした」と振り返っている。それでも、作品ごとに撮影を分ける作戦は功を奏したようだ。判断を下した当時を回想しながら、ジョー監督は本作に超高額の製作費が投じられた意味を分析している。
「それぞれの映画に大変な製作費がかかっていますが、それはつまり、ものすごく高度かつ複雑で、作るのが難しいということなんですよね。スタッフは本当に大変だし、扱う情報量も多い。(作業を)分ければ集中できると思いました。」
ただし企画が巨大すぎるゆえであろう、ふたつの映画を完全に分けることはできなかったようだ。アンソニー監督いわく、「ある特別な理由によって」順序通りに撮影できなかった場面や、撮影を同時に進めなければならない局面が数回あったとのこと。ファルコン役のアンソニー・マッキーをはじめ、数人の俳優がその撮影に関わっていたという。その「特別な理由」とはスケジュールなどに関するものか、それとも本編に関わっているものか……?
映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』MovieNEXは発売中。『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』は2019年4月26日(金)公開予定。
Source: Collider