『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』ハイ・エボリューショナリー役、実際は愛犬家だった

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』に登場したハイ・エボリューショナリーは、MCU屈指と言っていい極悪のヴィランだ。完璧な社会を目指し、完璧な生物を造り出すために残虐な動物実験を施す彼は、おなじみロケット・ラクーン誕生の鍵を握る人物である。
演じたのはナイジェリア出身の俳優チュクーディ・イウジ。自ら「マッド・サイエンティスト」と形容するハイ・エボリューショナリー役では、その残酷さを表出させつつ、端々に小物らしさを──言いかえれば人間味を──たっぷりとにじませる名演で、このヴィランに圧倒的な説得力をもたらした。ロケットをはじめとする動物たちを見つめる視線はあまりにも冷たく恐ろしい。
ところが、実際のイウジは役柄とはうってかわって愛犬家だった。米Colliderのインタビューでは、「かわいい犬がいます。シュヌードルといって、シュナウザーとプードルのミックス犬なんですが、キケロ(Cicero)と呼んでかわいがっているんですよ」と語っている。
イウジがキケロを我が家に迎えたのは2022年3月のことで、Instagramにも「新しい家族を紹介します!」と揃って登場。その後も「台詞を教えてくれています」と記し、キケロを膝の上に乗せながら台詞覚えに取り組む様子が投稿されている。
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愛犬家のイウジにとって、悪役とはいえ動物を痛めつける演技はとても苦しいことだったようだ。「(実験を)終えた後のロケットを見ると……キケロとおんなじ目をしてるんですよ。本当につらかったですね。まったく同じ目をしているから、映画を観るたびに打ちのめされてしまって」と語っているのである。

ちなみに『ジョン・ウィック:チャプター2』(2017)や「ボクらを見る目」(2019)「サバイバー: 宿命の大統領」シーズン3(2019)などで注目度を高めてきたイウジだが、ジェームズ・ガン監督とは「ピースメイカー」(2022)に続いて2度目のタッグ。イウジは同作の撮影中にハイ・エボリューショナリー役のオファーを直接伝えられたそうで、あまりにも信じられない出来事に頭を抱えたという。
20代からイギリスのロイヤル・シェイクスピア・カンパニーにてシェイクスピア劇を演じ続けてきたイウジは、ハイ・エボリューショナリーも「非常にシェイクスピア的なキャラクター」だと語る。「彼には破滅的な欠陥があります。完璧な社会を作りたいのに、とことん視野が狭く、徹底的に無慈悲。それでも本人は大いなる善のためだと信じているんですから」。
ガン監督はイウジを「ヴィオラ・デイヴィスやマーゴット・ロビー、ベニチオ・デル・トロといった人々と同じで、一緒に仕事をしていて最も楽しい役者のひとり。彼なら唯一無二の役柄にしてくれると直感しました」と称えている。
映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』は公開中。
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