『ジャスティス・リーグ』脚本家、ジョス・ウェドン版は「破壊行為」 ─ 「僕は黙ることにした」
DC映画『ジャスティス・リーグ』(2017)で当初の脚本を手掛けていたクリス・テリオが、劇場版について「破壊行為」と痛烈に批判している。
『ジャスティス・リーグ』はザック・スナイダー監督の降板後、『アベンジャーズ』(2012)ジョス・ウェドン監督が引き継いで完成させた。ところがスナイダー監督から作風がガラリと代わり、ファンからは批判を受けていた。2020年7月にはレイ・フィッシャーがウェドン監督のハラスメントを告発し、ここ数ヶ月はウェドンおよび劇場公開版へのバッシング報道が続いている。
2021年4月6日付では米The Hollywood Reporterがサイボーグ/ビクター・ストーン役レイ・フィッシャーのインタビューを交えた長文記事を掲載。これに続いて米Vanity Fairも8日付で、ザック・スナイダーと共に当初の脚本を執筆していたクリス・テリオのインタビューを掲載している。
「2017年の劇場版は、あれは破壊行為でした。ザックは紳士すぎるからそんなことは言わないと思いますが、僕は言います」と、ジョス・ウェドンによる脚本の大幅な書き直しを受けたテリオは断言。「(ザック・スナイダーの)独自性が2017年版から消されてしまったとき、僕は沈黙していました。何も言うことができなかったからです。もちろん傷つきました」と吐露し、劇場公開版を「かつて巨大でどっしりとしていた恐竜の骨」と例えて批判している。
テリオが初めて劇場版を観たのは映画公開の数週間前、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019)製作中だったという。仕上がった『ジャスティス・リーグ』をスタジオで観たテリオは、すぐに弁護士に連絡を取り、自分の名前を消して欲しいと頼んだそうだ。それほど、自分たちが志した作品とは別物だったということであり、そこに自分の名が加わるのは不名誉だと判断したということである。
しかし、既に印刷物など素材の準備が完了してしまっていたため、これらを回収するわけにもいかず、結局クリス・テリオの名は残ったままで映画は公開されている。もしも回収していたら映画の公開も延期になっていたはずで、「そうすれば世界的なスキャンダルになり、ニュースのネタになってしまう。だから僕は黙ることにして、何も言わないことにしたんです。僕はそれ以来、『ジャスティス・リーグ』について一言も喋っていません。あの映画は僕の仕事じゃない」。
テリオは『ジャスティス・リーグ』公開時のプレミアに招待されなかった。「あの映画は二度と観ていません」。ウェドンとは面識もないという。
Source:Vanity Fair