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『ジョン・ウィック:コンセクエンス』監督来日インタビュー、重要エピソード多数明かす

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』チャド・スタエルスキ監督(東京にて)

──さて、シリーズからはスピンオフドラマ「ザ・コンチネンタル」や、映画『バレリーナ』も登場します。これから、もっとたくさんのスピンオフが登場するかもしれません。

そうなるといいなと思っています。キアヌと僕とで、『ジョン・ウィック』をアニメ化したいと話をしていますし、ドラマ版もやりたいと思っています。今はそういうことに取り組んでいます。

ジョン・ウィック:コンセクエンス
®, TM & © 2023 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

──しかし、ユニバース型のフランチャイズを作るにあたっては、誰かが守護者のような役になる必要があるのでは。あなたはケヴィン・ファイギのようになりますか?

アハハハ(笑)。ケヴィン・ファイギ並の報酬がもらえるのなら最高だ。ただ、キアヌも僕も、スタジオに委ねるということで同意しています。スタジオも、僕やキアヌがこのシリーズのゴッドファーザー的存在になることを理解しています。

どうなるかはわからない。なかなか難しい話で、自分の監督なしで進めるためには、信頼できる誰かを見つけられるかにかかっています。同じことの繰り返しではなく、より良いものを作れる誰かを。

僕は『ジョン・ウィック:コンセクエンス』を誇りに思っていますが、作り終えてからもうしばらく経ちます。僕よりもうまくやれる監督を見つけて、プロジェクトを任せたいと思っています。僕よりも上手いアクションや、演技や、カタルシスを見せてくれる人を。そうやって、シリーズに新境地をもたらしてほしい。

ジョン・ウィック:コンセクエンス
®, TM & © 2023 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

──このユニバースの呼称はなんですか?ジョン・ウィック・ユニバース?

わかりません。なんて呼ぶのが良いのかな?(笑)マーベルやDCの影響で、ユニバース化に関する話はたくさんあります。しかし僕は、やたらユニバースと呼ぶのではなく、ただ良い映画を作ることに集中すべきだと思う。そして、それが『ジョン・ウィック』の世界に加わるものになれば最高。たとえ加わらなかったとしても、良い映画として成立できるのだから。

──あなたは、「監督業とは練習ができないものだ」と話しています。監督業とは経験の積み重ねが主である、と。しかし同時に、映画を作る時というのは、これまでやったことのないことに挑戦をしたいものだと思います。常にリサーチが求められ、先輩からのアドバイスも必要になるのでしょう。そういった観点で、本作で特に事前のリサーチが求められた困難なシーンはどこですか?

全てのアクションシーンですね。アクションをやるのはいつもトリッキーで、ハードです。犬、車、ワイヤー、カメラアングル……、難しいことばかり。ただ、その難しさは、リサーチや努力でどうにかなる。

正直、映画作りで一番難しいのはラストシーンです。今回は、「1作の映画の終わり」ではなく「4作の映画の終わり」にしたかった。『ジョン・ウィック』シリーズはいつも続編に連なるようなエンディングだったから、この第4作では、映画監督として初めて「エンディング」を作るような感覚になりました。

だからこそ、完璧なラストシーンに徹底的にこだわったのです。4作をまとめて観たら、これで一つの映画だったのだと感じられるようなラストにね。この物語をどう完結させるべきかについてはプレッシャーを感じましたし、それが一番難しいところでした。

ジョン・ウィック:コンセクエンス
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──『ジョン・ウィック』は、シリーズが進むにつれて武士道の要素が強くなっているように思います。これは1作目の頃から意識していたのでしょうか?

武士道、それから“掟”もそうですね。西部劇の要素もあるでしょう。1作目から考えていたことですよ。今作『コンセクエンス』ではついに日本が舞台となりましたが、1作目のテーマも実に日本的でした。『ジョン・ウィック』には全作、日本的な創造が含まれているのです。

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──『ジョン・ウィック』シリーズを完結させて、今後の新作企画をいくつも抱えていますね。「レインボー・シックス」、『ハイランダー』続編、「ブラック・サムライ」「プロジェクト・ネメシス」……、

「プロジェクト・ネメシス」は怪獣のやつだね。

──それから、何といっても日本のゲームの実写化「Ghost of Tsushima」です。次作が「Ghost of Tsushima」になることを願っていますよ。もしかして、今回の来日でロケハンに出かけられた?

今回の日本では2週間過ごしました。3週間滞在する予定なので、残りの1週の間に行けますね。

──撮影の候補地はありますか?

まだ決めていませんが、探しているところです。

──実は今、日本でのロケ撮影の規制緩和に向けた動きがあるところで、ちょうど新たなインセンティブ制度が発表されたところでもあります。もしも日本で自由に撮影が行えるとしたら、どんなことをしたいですか?

インセンティブ制度については、まさに昨日、記事を読みましたよ。もしも税制優遇制度があれば、全編日本制作も実現するでしょう。「Ghost of Tsushima」でそれができれば、大好きな北日本で撮りたいですね。日本の雪景色や海岸、森の画がほしい。長野や青森、岡山でやりたい。全てを日本で撮影したいです。

──オール日本人、アジア人キャストになるのでしょうか?

そうです。ぜひ進めたい企画です。

──ところで、監督自身はそもそもゲームをプレイしたことがないそうです。

僕はゲーマーではないのですが、人がプレイしているのを見るのが好きです。ゲーム作品のリサーチには多大な時間を費やしました。

──ということは、「Ghost of Tsushima」もプレイしたわけではない?

プレイはしていません。プレイステーションの電源の付け方すらわからない(笑)。ただ、パートナーがプレイしているのを何ヶ月も隣で見ているから、「Ghost of Tsushima」のことは知り尽くしていますよ。とにかくあのゲームのアイデアが好きなんです。

僕自身、スタントマンとして、マーシャルアーツに没頭していました。ゲームのプレイヤーというのも、ゲームに没頭する必要があるわけです。ゲームに関しては、僕は見ているだけで満足ということです。

──「Ghost of Tsushima」には、アンドリュー・小路が出演を熱望していました

アンドリュー・小路?素晴らしい。ぜひ連絡して欲しい!

──ちなみに『ジョン・ウィック:コンセクエンス』の続編となる5作目の可能性はあるのでしょうか?

『ジョン・ウィック5』? ………(しばし沈黙)。アッハッハッハ!どうなるかな?(笑)

ジョン・ウィック:コンセクエンス
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映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス』は絶賛公開中。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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