『ジョーカー』ホアキン・フェニックス、エンドクレジットに「おまけのジョーク」希望していた

DCコミックス原作映画『ジョーカー』は、確かにコミック映画でありながら、近年のハリウッドで隆盛を誇る“コミック映画”とは趣の異なる作品だ。たとえばコミック映画ファンが冒頭から面食らうのは、ほとんど“お約束”といっていい、コミック会社の社名ロゴが登場しないところ。マーベル映画ならマーベルあるいはマーベル・スタジオの、DC映画ならDCコミックスのロゴが冒頭に表示されるところから作品が幕を開けるのが通例だが、本作はワーナー・ブラザースの(しかも70~80年代当時私用されていたのと同じ)ロゴから始まり、DCのロゴは登場しない。
同じくコミック映画の“お約束”である、エンドクレジット後のおまけも同様だ。多くの場合はエンドクレジットが2つに分かれており、クレジットの間と、すべてが終わった後の2度、ポストクレジットシーンが用意されているもの。しかし『ジョーカー』では、そうした方法も敢えて採られていない。
米GamesRador+の取材にて、トッド・フィリップス監督は「この映画にポストクレジットシーンを入れるのは違うと思いました」と語っている。「ちょっと軽薄すぎるように思えたのと、(この映画で)自分たちが作ったものには合わないだろうって」。しかし、監督とほんの少しだけ意見を異にしたのが主演のホアキン・フェニックスだった。
「ホアキンは(エンドクレジットで)名前の横にNG集を流しておくのは面白いよね、と言ってました。昔やられていたみたいにね。」
エンドクレジットのNGシーン集といえば、ジャッキー・チェンやジム・キャリーの主演映画、あるいは『トイ・ストーリー』シリーズなどのピクサー映画にしばしば見られたもの。今でこそブルーレイやDVDの特典映像で見るものという印象だが、かつては、ある限られたジャンルにおいては“お約束”といえるものだった。結果的に却下されたとはいえ、『ジョーカー』のエンドクレジットにNG集を入れたがるとは、なんというジョークだろう。観客はいったいどんな顔で見ればいいというのか……。
もっともホアキンは、これに近い試みを公共の電波で実践したばかりだ。トーク番組「ジミー・キンメル・ライブ!」に出演した際、番組ではフィリップス監督から提供されたという『ジョーカー』のメイキング映像が放送されたが、そこには、演技への集中を邪魔した撮影監督をホアキンが叱責する姿が映し出されていた。ホアキンはこの映像を見るや、恥ずかしそうに、少しだけ申し訳なさそうに謝罪。ところが、この映像はフェイクだったことがのちに発表されているのである。
映画『ジョーカー』は2019年10月4日(金)より全国公開中。
▼『ジョーカー』の記事
「コンスタンティン」マット・ライアン、『ジョーカー』調の単独映画を実現希望 ─ ドラマ版「ジャスティス・リーグ・ダーク」にも出演望む それ観たいぞ 『ジョーカー』未発表メイキング写真、監督が相次いで公開 ─ 「みなさんの健康と安全をお祈りします」 良い写真ばかり クリス・ヘムズワース主演、ハルク・ホーガン伝記映画は「脚本執筆中」 ─ 『ジョーカー』監督&脚本家がNetflixで放つ 企画が熱すぎる 『ジョーカー』ホアキン・フェニックス、撮影中に負傷していた ─ 大幅減量にスタッフも心配、アカデミー賞受賞の裏側 渾身の演技、その舞台裏 2020年(第92回)アカデミー賞 全受賞結果&ノミネート一覧 ─ 『パラサイト』アジア映画初の快挙、作品賞・監督賞・脚本賞・長編国際映画賞4冠 2020年、映画の祭典
Source: GamesRador+