『ジョーカー』ホアキン・フェニックスが怒るメイキング映像、米トーク番組で放送 ─ のちに「ジョークだった」と発表

DCコミックス原作映画『ジョーカー』のプロモーションのため、アーサー・フレック/ジョーカー役として主演を務めるホアキン・フェニックスが、米国の人気テレビ番組「ジミー・キンメル・ライブ!」に登場した。番組では司会者ジミー・キンメルとのトークが繰り広げられ、とあるメイキング映像が放送されてファンの間で話題を呼んだのである。
ハードな役どころを演じきりながら、ホアキンは『ジョーカー』の撮影現場について「本当に楽しかった。後ろめたいくらいでしたが、すごく良い時間を過ごしました」と語っている。ところが番組には、トッド・フィリップス監督から一本の映像が届けられていた。
それは本編では使えない、いわゆるNGシーンのメイキング映像だった。そこには撮影現場で、ジョーカーを演じるため顔を白く塗ったホアキンが、怒りを隠さない様子が映し出されていた。
「ずっとぼそぼそ言ってるけど、黙ってくれないか。リアルなものを見つけようとしているところだから。」
「───(放送禁止音)、あのさ、───、ごめん、───。いや、大したことない、大したことないんだ。その、───。」
「分かってる、───、いつものシャーのヤツが始まったんだろう、ラリー。───、バカにしてるよな、僕がディーバみたいだって。」
「侮辱にもなってないんだよ、シャー。分かる? 歌手、俳優、ダンサー、ファッション・アイコン、それがどうして───侮辱になる。───。もうやれない(と立ち上がる)。」
この映像が終わるや、ホアキンは声に出してため息をついた。司会者のジミーは「何があったんですか? ラリーって誰です?」と尋ねる。すると、ホアキンはしばし呆然としてから、「えっと…」とつぶやき、力なく笑顔を浮かべると「ラリーっていうのは撮影監督で…すごく恥ずかしい」と答えた。スタジオが爆笑に包まれると、ジミーは「シャーって呼んでるんですか?」。ここで言及されているラリー、シャーとは、本作で撮影監督を務めたローレンス・シャーのことだ。ややあって、ホアキンは再び話し始める。
「その、時々、映画作りはハードになることがあるんです。大勢が小さな場所にこもって、何かを発見しようとしていますから。だから、すごく激しいように思われるでしょうが、だから…表には出さないようになっているんですが(笑)。すみません。(観客に)見せちゃってごめんなさい。」
ここで、ジミーが「だけどラリーの失敗でしょう? ラリーの責任なんですよね?」と笑えば、ホアキンは再び困った笑顔を浮かべて「もうちょっと考えますね…明日、広報から正式に発表します」とジョークで応じながら「次に進んでもいいですか?」と提案した。しかし、ジミーは「いいですよ」と言いながらも「ラリーに電話したかったら、電話をつなぎますよ」と食い下がる。ホアキンが「そうか、公の場で謝るべきですよね」と言えば、ジミーは「そうですね」と応じた。これを受けて、ホアキンは語り始める。
「ラリー……。(ジミーに)だけど結局は彼が…(会場笑)分かってます、ごめんなさい。だけど、僕が仕事をしている時に、彼がずっとぼそぼそ言うから。必死になって感情を探ってる時もあるんですよ。でも僕が悪かった、ごめんなさい。…とはいえ彼の間違いでしたけど。」

この映像が放送された後、またオンラインで配信された後、主に司会者のジミーに対して厳しい声が投げかけられた。メディア対応やインタビューを得意としないホアキンが、本当に狼狽しているように思われたからだ。ほかにもトークの途中には、ホアキンをジョークの対象にするかのようなジミーのふるまいに、ホアキンが戸惑いを見せる場面が何度かある。
ところが米Entertainment Weeklyは、実際にホアキンの代理人に接触し、「あの映像はジョークです」との証言を入手している。それ以上の内容は伝えられていないが、フィリップス監督が提供したメイキング映像はジョークにすぎなかったというわけだ。ならばホアキンと監督は、わざわざ撮影の合間を縫ってジョークのメイキングを撮ったということになろう。
ちなみにホアキンがトーク番組で“偽りのホアキン・フェニックス”を演じた例といえば、2008年に俳優引退・ラッパー転向を宣言したあと、2009年に「ザ・レイト・ショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア」で司会者とまったく噛み合わないトークを展開したことが有名。これはフェイクドキュメンタリー映画『容疑者、ホアキン・フェニックス』(2010)撮影のためであり、のちにホアキンは番組を再訪して謝罪している。さて、今回は…?
映画『ジョーカー』は2019年10月4日(金)より全国公開中。
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Source: EW