『ジョーカー』ホアキン・フェニックス、トロント国際映画祭で早くも1冠 ─ 映画界への貢献を表彰、新作は「キャリア最高の演技」

“狂気の犯罪王子”ジョーカーの誕生を描く、DCコミックス原作映画『ジョーカー』で主演を務め、早くも絶賛を浴びている俳優ホアキン・フェニックスが、トロント国際映画祭(TIFF)にて早くも1冠に輝くことが決定した。
『ジョーカー』の北米プレミア上映が実施される同映画祭は、このたび映画界に大きく貢献した俳優に授与する新たな俳優賞「トリビュート・アクター・アワード(TIFF Tribute Actor Award)」を新設。記念すべき第1回の受賞者に、ホアキン・フェニックスとメリル・ストリープが選ばれたのである。
1984年の俳優デビュー後、35年間のキャリアにおいて、ホアキンは『グラディエーター』(2000)や『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(2005)、『ザ・マスター』(2012)、『ビューティフル・デイ』(2017)など数々の映画で高い評価を獲得してきた。トロント国際映画祭のディレクターであるキャメロン・ベイリー氏は、トリビュート・アクター賞の授与について以下のコメントを発表している。
「見事な直感と完成された技術を発揮するホアキン・フェニックスは、完璧な俳優であり、現代の映画において最も優れた人物の一人です。30年以上にわたり、彼は革新的な役柄のそれぞれに鋭い真実味をもたらしてきました。TIFFは、この新たな賞で彼の才能を祝福できることを非常にうれしく思います。」
同じくディレクターのジョアナ・ヴィセント氏は、ホアキンに「ずば抜けた才能」との賞賛を贈り、「(ホアキンの)映画へのすさまじい貢献は、映画を通じて世界の見方を変えるというTIFFのコア・ミッションを証明するもの」でもあると記した。
もちろん、ホアキンが今回のトロント国際映画祭で賞に輝くことと、『ジョーカー』が同映画祭でプレミア上映を迎えることと無関係ではないはずだ。以前よりキャメロン氏は『ジョーカー』に絶賛を贈っており、「ホアキン・フェニックスのキャリア史上最高の演技」「すべての映画賞が注目することになる」と述べたほか、マーティン・スコセッシ監督作品に言及しながら「映画としてハイレベルな成果を挙げている」「大衆向けの題材を扱いつつも大きな野心」と語っていた。ホアキンの受賞は『ジョーカー』の話題性を高めることになるほか、映画が高い成果を収めれば、映画祭そのものにも箔をつけることになりうるだろう。逆にいえば、トロント国際映画祭は『ジョーカー』にそれほどの期待を込めているとも考えられるのだ。
映画『ジョーカー』は2019年10月4日(金)日米同日、全国ロードショー。
Source: Variety