DC映画『ジョーカー』は「アカデミー賞まっしぐら」 ─ ヴェネツィア、トロント映画祭ディレクターが早くも大絶賛

アメコミ映画史上“最凶”の伏兵が、静かに忍び寄っている。DCコミックス原作、“狂気の犯罪王子”ジョーカーを主人公とする映画『ジョーカー』が、世界の有名映画祭で波乱を巻き起こすことになりそうだ。ヴェネツィア国際映画祭、トロント国際映画祭のディレクターが、相次いで作品の完成度に驚きと絶賛の声を贈っている。
想像しうるかぎり最大限の賛辞を口にしたのは、ヴェネツィア国際映画祭のアルバート・バルベーラ氏だ。コンペティション部門に出品された『ジョーカー』を「今年もっとも驚くべき映画」だといい、「リアルでダーク、暴力的ですが、この映画はアカデミー賞まっしぐらでしょう。すばらしい野心と視野をもつ作品です」と米Varietyに語ったのである。
そもそもアメコミ原作の映画が有名映画祭のコンペティション部門に選出されること自体が異例だが、ディレクターがアカデミー賞に推すほどのクオリティとあっては、その成果にも期待が高まるというもの。トロント国際映画祭のディレクターを務めるキャメロン・ベイリー氏も、米IndieWireにてこのように語っている。
「(『ジョーカー』は)オリジナルのストーリーで、既存の物語には組み込まれていません。我々の知るジョーカーの物語からキャラクターを使用し、多くの要素を取り入れてはいますが、作り手が独自の方向へと進めるだけのオリジナルな物語なのです。とてもダークな作風は、ホアキン・フェニックスによるキャリア史上最高の演技に基づくもの。すべての映画賞が注目することになると思います。」

2018年の映画祭では『アリー/ スター誕生』を押していたワーナー・ブラザーズが、今年は『ジョーカー』を押している。異例の猛プッシュは、作品のポテンシャルを知る作り手たちの意向によるものだ。たとえばヴェネツィア国際映画祭のコンペ出品は、トッド・フィリップス監督が「受賞できないリスクは気にしない、作品について知っているのに出品しないわけにはいかない」としてワーナーを説得、スタジオも作品の出来栄えに納得したことで実現したものだという。
ちなみに、マイケル・キートン主演『バットマン』(1989)以来、バットマンの実写映画・アニメ映画に携わり続けてきたプロデューサーのマイケル・E・ウスラン氏も『ジョーカー』には太鼓判を押している。「『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は新しく、かつユニークな映画だと思いました。『デッドプール』も新しい、唯一無二の作品でした。『ジョーカー』もまた、新しくて唯一無二の映画です。これまでの、いかなるコミック映画とも異なる作品です」。
映画『ジョーカー』は2019年10月4日(金)日米同日、全国ロードショー。
『ジョーカー』公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/jokermovie/
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Sources: Variety, IW, ComicBook.com