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『ジョーカー』ロバート・パティンソン版『ザ・バットマン』とはクロスオーバーなし ─ 監督「共演はありません」

ジョーカー
TM & © DC. Joker © 2019 Warner Bros. Entertainment Inc., Village Roadshow Films (BVI) Limited and BRON Creative USA, Corp. All rights reserved.

第76回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で金獅子賞(最高賞)に輝いた映画『ジョーカー』は、DCコミックス屈指の人気を誇るヴィラン、“狂気の犯罪王子”ジョーカーの誕生を描く物語だ。しかしながら、本作でホアキン・フェニックスが演じたジョーカーは、『ザ・バットマン(原題:The Batman)』に登場するロバート・パティンソン版バットマンとは共演しない見込みだという。

2019年9月9日(現地時間)、第44回トロント国際映画祭に登場したトッド監督は、記者からの「いずれロバート・パティンソンのバットマンと共演する計画もあるんでしょうか?」との質問に「ノー、絶対にありません」と一言で応じた。また、プレミア上映後の質疑応答でも「将来的に何かと繋がるとは思いません。単独の映画です」と語っている。

これまで実写映画において、ジョーカーというキャラクターは、『バットマン』(1989)でジャック・ニコルソンが、『ダークナイト』(2008)でヒース・レジャーが、『スーサイド・スクワッド』(2016)でジャレッド・レトが演じてきた。ただし、トッド監督は『ジョーカー』で独自のストーリーを描きたいとの意志を以前から公言しており、英Empireでは「クリストファー・ノーラン(『ダークナイト』3部作監督)やザック・スナイダー(『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』監督)ほか、誰かが作った世界を舞台にすることはしたくなかった」とも述べているのだ。

したがって、『ジョーカー』は1980年代のアメリカを舞台とする物語ではあるものの、既存のジョーカーの前日譚として描かれているわけではない。マット・リーヴス監督が生み出そうとしている、『ザ・バットマン』の世界観と融合させるつもりがないのも当然といえるだろう。おそらく主演のホアキン・フェニックスも、その点においては同意しているものとみられる。

ちなみにトッド監督は、全世界の度肝を抜いた『ジョーカー』の金獅子賞受賞について「正直に言うと信じられません。僕たちは今でも足場を固めようとしているところですから」と謙虚だ。トロント国際映画祭にコンペティション部門は存在しないが、こちらでも最高賞にあたる観客賞(ピープルズ・チョイス・アワード)の獲得が期待される。今後の動向にも引き続き注目しよう。

映画『ジョーカー』は2019年10月4日(金)日米同日、全国ロードショー

ベネチアが熱狂した、プレミア直後のレビューはこちら

Sources: Variety(1, 2), Empire 2019 August

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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