『ジョーカー』続編報道、監督が「事実ではない」と訂正 ─ 製作の可能性は完全否定せず

2019年11月21日、DCコミックス原作映画『ジョーカー』(2019)の続編企画が始動したと米国メディアが伝えたことについて、脚本・監督のトッド・フィリップスが報道内容を否定した。
『ジョーカー』続編の話題は、米The Hollywood Reporterが「ワーナー・ブラザーズはトッド・フィリップス監督と再登板に向けた話し合いに入っている」「主演のホアキン・フェニックスにも続編についての提案がなされている」と最初に報じたもの。ところが、米Varietyと米Deadlineはこれを否定。フィリップス監督&シルバーがワーナーと面会したことは事実だが、具体的な話は進んでおらず、契約がなされていないばかりか、ストーリーも決まっていないと強調した。
このたび米IndieWireの取材にて、フィリップス監督はThe Hollywood Reporterによる第一報は「早まった」ものだったと述べている。「僕が参加した10月7日のミーティングで、そういう(報道されたような)話は出ませんでしたよ」。さらにフィリップス監督は、「もし僕自身や僕のキャリアについてご存知なら、それが僕のやり方じゃないことはお分かりでしょう」とも話した。
「僕はワーナーで『ハングオーバー』という大ヒットコメディを作りましたが、“よし、どんどん作ろう”みたいなことを言う、コメディ専門のプロデューサーになったりはしていません。ワーナーの中にブラッドリー(・クーパー)との製作会社があるので、15~6年はワーナーと一緒にやってきていますけどね。僕たちは常に2つの企画を進めていますが、時々いる人たちのように、40本を一度に扱うようなことはしません。そんなに必要じゃないんです、そんなエネルギーはありません。」
ここで監督は、『ジョーカー』続編の話題にあわせて報じられた、“フィリップスがDCキャラクターのオリジンを描く作品を複数製作することを提案した”との報道も同時に否定している。あくまで、『ジョーカー』続編が動き出しているという報道も、DC映画の新展開を提案したとの報道も、どちらも正確ではないと述べているのだ。「記事の内容は事実ではないし、どこから出てきた話なのかも分かりません」。
しかしフィリップス監督は、それでも『ジョーカー』の続編が絶対にありえないとも言っていない。「続編についてはこれが真実です」として、監督は現状を明らかにしているのだ。
「ホアキンと僕が続編の話をしたことはありますし、ワーナー・ブラザースの幹部と世界中をツアーしていると――トロントやヴェネツィア、そのほかの場所にも行きましたね――ディナーの最中に“考えてくれましたか”といったことを言われるんです。だけど、契約の話はないし、続編の脚本を書くという契約も結んでいないし、続編に出てほしいという話をホアキンにしたことは一度もありません。実現するのかと言われれば…僕は、あの記事はせいぜい予想にすぎないと思いますよ。」
少なくとも現時点では、『ジョーカー』続編をめぐる状況については、第一報のThe Hollywood Reporterではなく、後発のVariety、Deadlineが伝えた内容が現実に即しているということになる。しかしフィリップス監督の発言を追いかけ直してみれば、『ジョーカー』公開以前は続編の可能性を切り捨てていた監督が、いつしか続編を否定しない論調になっていることがわかるはずだ。もしかすると監督の心境にも、なんらかの変化が起こり始めているのかもしれない?
映画『ジョーカー』は2019年10月4日(金)より全国公開中。
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Source: IndieWire