『ジュラシック・パーク』サム・ニール、「じじいとギャル」と揶揄された過去を明かす ─ ローラ・ダーンと20歳の年齢差、その正当性は?

『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(2022)で約21年ぶりの再共演を果たすサム・ニールとローラ・ダーンが、2人に関してなされているとある議論について言及している。『ジュラシック・パーク』(1993)公開当時、20歳という年齢差が正当だったのか否かというものだ。
『ジュラシック・パーク』(1993)で恋人役を演じたニールとダーンには、20歳の差がある。出演当時、46歳であったニールに対し、ダーンは26歳。2人の年齢差が批判にさらされたわけではないものの、英The Timesの取材に応じたニールによれば、公開当時に出版されたある雑誌の記事には揶揄的な表現が含まれていたという。
「私は、ローラより20歳上なんです。当時は、主演を務める男性と女性として、年齢差は全く問題無いと感じたんです。雑誌で見つけた記事で、“じじいとギャル(Old Geezers and Gals)”みたいに書かれているのを見つけるまで、(正しくないとは)思いませんでしたね。ショーン・コネリーやハリソン・フォードのような俳優が、彼らよりずっと若い人たちと演技をする、みたいな(ことが書かれていて)。そこには僕の名前もあって、“嘘だろ、そんなはずない”って思いました。」
ニールの指摘するように、確かに『007』シリーズでは、ジェームズ・ボンド役の俳優と通称“ボンドガール”を演じる女優の年齢差が開いていることも多く、直近の『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021)に出演したダニエル・クレイグとレア・セドゥの間には17歳の差がある。“じじい”という書かれ方をしてしまったニールの中には屈辱的な思いもあっただろうが、それでは年下のダーンは当時どう思っていたのか。
「サム・ニールに恋することは、何の問題もないと感じました」。ダーンはニール同様に問題視していなかったことを明かしながら、こうも話している。「今になって、家父長制といった文化的意識に立ち返ると、“え!私たち同い年じゃなかったんだ”ってなりますけど」。
『ジュラシック・パーク』劇中では、ニールが演じたアラン・グラント博士とダーンが演じたエリー・サトラー博士の年齢差に関する言及はなされていなかった。また、ダーンが「たくさんの科学技術分野に携わる女性が、エリーのヒロイズムとあの分野の女性の繋がりを指摘してくださるんです」と語るように、男尊女卑の考え方が根強く残っていた90年代当時、こうした悪しき既成概念にとらわれない活躍を見せたキャラクターこそサトラーだった。年齢差の正当性に答えというものは無いが、ダーンが演じたサトラー博士に、鼓舞された人が多いことは確かだ。
Source:The Times(参照:Variety)