『ジャスティス・リーグ』試写の評判は『ワンダーウーマン』に匹敵?上映時間はワーナー社長の指示だった
ワーナー・ブラザース/DCコミックス作品『ジャスティス・リーグ』の劇場公開が迫るなか、幸先のいい評判が聞こえてきた。製作の様子を伝えた米Wall Street Journalによると、ついに完成した本作は『ワンダーウーマン』に匹敵するクオリティになっているというのだ。
これまで興行的には成功を収めつつも、批評的には今ひとつ伸び悩む印象のあったDC映画ユニバースにおいて、2017年の夏を世界的に賑わせた『ワンダーウーマン』はその突破口となった。米国で歴史に名を残すほどの大ヒットを見せつけただけでなく、映画批評サイトRotten Tomatoesでは92%フレッシュ(2017年11月8日現在)というユニバース史上圧倒的な数値を記録。『ジャスティス・リーグ』がその品質に並ぶとなれば、いよいよ期待値はがぜん高まるというものだ……!

紆余曲折の映画製作、ついに結実
『ジャスティス・リーグ』の製作は実に複雑なプロセスを経て行われた。
その“改革”は、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)を受けてDCコミックス幹部のジェフ・ジョンズ氏と映画プロデューサーのジョン・バーグ氏が雇われ、ザック・スナイダー監督による作品の方針を「より明るく」するところから始まったのだという。2017年初頭、ザック監督は自身の編集版をワーナーに提出し、そこでワーナーは再撮影・再編集を決定している。
ところがザック監督は、2017年5月に愛娘の死を受けてプロジェクトを途中降板。その後任者として再撮影を指揮し、作品を仕上げたのは『アベンジャーズ』(2012)のジョス・ウェドンだった(完成版には脚本としてクレジットされている)。WSJ誌によれば、膨大な再撮影のために本作の総製作費は3億ドルにも達していたという。
ザックとジョス、二人の映画監督による仕事を一つの作品に織り合わせるのは至難の業だったようで、撮影後のポスト・プロダクションは主にその作業に重点が置かれていたようだ。ジョスの合流後、当初は作品がうまく仕上がらなかったようだが、度重なる編集と試写を経て、最新の編集版では観客の評価が『ワンダーウーマン』の数値に近づいてきたというのである。
注目すべきは、ワーナー側が完成した作品に非常に満足しているらしいということだ。特にエズラ・ミラー扮するフラッシュに注目が集まっており、単独映画として企画されている『フラッシュポイント(原題:Flashpoint)』にもなんらかの影響が出るとみられる。なにせWSJ誌の記者であるベン・フリッツ氏によると、すでに『フラッシュポイント』の監督は正式決定が近いというのだ。先日は『ジャスティスリーグ』の公開後、その動向しだいという噂も流れていたが、どうやら状況は急激に変化しているとみていいだろう。
ちなみに『ジャスティス・リーグ』といえば、その上映時間が2時間1分(121分)と短くまとまっていることが先日話題になったばかり。実はこの上映時間には、製作陣ではなくワーナー社長の強い意向が働いていたという。会長兼CEO(最高経営責任者)であるケビン・ツジハラ氏が、ヒーロー映画は2時間以内にしてほしいと伝えていたのだそうだ。
通常、スタジオ側の意向によって上映時間が短くなるというケースはあまり良い方向に働かないことが多い。ただし『ジャスティス・リーグ』で安心できそうなのは、すでにワーナーも試写の感想も本編に満足しているらしいところだ。今後、SNSなどで試写の感想が聞こえてくるのを楽しみに待つことにしよう。
映画『ジャスティス・リーグ』は2017年11月23日より全国ロードショー。
なお、映画『ワンダーウーマン』のブルーレイ&DVDは2017年12月2日に発売される。
Sources: https://www.wsj.com/articles/offbeat-super-heroes-take-on-batman-wonder-woman-1509997635
http://collider.com/justice-league-runtime-budget-revealed/
https://www.cbr.com/flashpoint-movie-director-close/
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