『ジュラシック・ワールド』シリーズ、「ワールド」をつけずタイトルを毎回変更する予定だった?

1993年にスタートした『ジュラシック・パーク』シリーズは、『ジュラシック・パークIII』(2001)をもって一旦の幕を下ろした。それから14年、シリーズタイトルを“パーク”から“ワールド”へと一新する形で壮大な物語の幕を開けたのが、2015年に公開されて記録的な興行収入を打ち出した『ジュラシック・ワールド』だ。
『ジュラシック・ワールド』でメガホンをとったコリン・トレボロウ監督は過去に、タイトルを変更するにあたり、シリーズの生みの親であり、エグゼクティブ・プロデューサーのスティーブン・スピルバーグに直談判したことを明かしていた。2015年には、その理由について監督が「あんな事故があったのに、『ジュラシック・パーク』なんて名前を付けていたら、PR上のとんでもない失態になる」としながら、「恐竜と人間が、今日の動物たちと同じように共存する“世界(World)”を作りたかった」と説明。前作までの流れを考慮し新たな物語を伝えるためには、トレボロウ監督は題名を変更する必要性を感じていたようだ。
こうして、『ジュラシック・ワールド』はシリーズ化され、『ジュラシック・ワールド/炎の王国(原題:Jurassic World: Fallen Kingdom)』が2018年に公開を迎え、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(原題:Jurassic World Dominion)』が2022年に世界に解き放たれた。それぞれのタイトルには、“ワールド”と名付けられているが、トレボロウ監督は作品毎に変更したいと思っていたようだ。米Colliderのインタビューにてこうコメントしている。
「(シリーズに)最初に参加したときは、タイトルを毎回変えたいと思っていました。今考えれば社会で生きている以上、それはそもそも難しいことだったのかもしれません。『ジュラシック・ワールド(Jurassic World)』、『ジュラシック・アース(Jurassic Earth)』、『ジュラシック・キングダム(Jurassic Kingdom)』みたいな感じにしたかったんです。とにかく変えていきたかった。オリジナルの映画を作りたいという思いがありましたから。それぞれの映画が独立したイベントであるようにしたかったんですよ。」
これにはスタジオ側の意向があったと思われる。“ワールド”をすべてのタイトルに入れて一貫性を持たせることにより、シリーズ作品であることを戸惑うことなく観客に連想させられるからだ。実際に今では、“『ジュラシック・ワールド』シリーズ”としてファンから広く親しまれている。
このタイトルに対して、トレボロウ監督は「完全に満足しています」としながら、「このシリーズの名前はすでに一回変えていますから、そこは受け入れるべきでしょうね」と、ユーモアあふれるコメントも口にしている。そんな『ジュラシック・ワールド』シリーズ最新作にして完結編、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』はついに日本上陸を果たし、全国の劇場で公開中だ。
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Source:Collider