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『ジョン・ウィック:コンセクエンス』アキラ役リナ・サワヤマって? ─ 宇多田ヒカルや椎名林檎と洋楽R&Bに影響、世界で活躍する日本人アーティスト

ジョン・ウィック:コンセクエンス
®, TM & © 2023 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

キアヌ・リーブス主演『ジョン・ウィック:コンセクエンス』がついに日本公開を迎えた。ジョン・ウィックの戦いについに決着がつく本作では、ニューヨーク、ベルリン、パリ、ヨルダンの砂漠、そして日本の大阪と、世界各地をまたにかけた大立ち回りが見られる。

日本のパートでは、真田広之が演じるシマヅが支配人の大阪コンチネンタルホテルが登場。そこでコンシェルズを務めるのがアキラという眼光鋭い女性。忍者のようなしなやかな身のこなしで、クールなアクションを披露する。

ジョン・ウィック:コンセクエンス
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演じたのは、日本生まれのライジングスター、リナ・サワヤマだ。主にシンガー・ソングライターとして活動するリナ・サワヤマは、日本人アーティストとして全英アルバムチャートで前人未到の新記録を樹立するなど、海外で大活躍。『ジョン・ウィック:コンセクエンス』ではスクリーンデビューを果たし、今後も世界的な注目を集めることは必至である。

シンガー・ソングライターとしてのリナ・サワヤマ

リナ・サワヤマ
©Thurstan Redding

リナ・サワヤマ(Rina Sawayama)は1990年8月16日生まれ。父親の転勤で4歳の頃に移り住んだロンドンを拠点に活動する新潟県出身のシンガー・ソングライター。宇多田ヒカルや椎名林檎といった1990〜2000年代のJ-POPと、2000年代初期の洋楽(R&Bやポップス)で育った独自の世界観が魅力。最も影響を受けたアルバムには、宇多田ヒカル『First Love』、椎名林檎『勝訴ストリップ』、ビヨンセ『ビヨンセ デンジャラスリィ・イン・ラヴ』、NERD『FLY OR DIE』の4枚を挙げている。自身の音楽性は“キュートR&B”と表現し、マライア・キャリー、ザ・カーディガンズ、ジャスティン・ティンバーレイク、アリーヤ、NERD、そして椎名林檎をミックスしたものと話している。

2023年1月には、名古屋・大阪・東京で来日公演。最終日となった東京公演では、宇多田ヒカルの「First Love」カバーをサプライズ歌唱し、完売の会場を沸かせた。

リナ・サワヤマ 東京公演
©Sotaro Goto
リナ・サワヤマ 東京公演
©Sotaro Goto

ライブで「First Love」を披露した実際の映像はYouTubeに公開されている。

その高い音楽性は米ニューヨーク・タイムズ、英ガーディアンといった主要メディアからはもちろん、自身が尊敬するレディー・ガガやエルトン・ジョンといった大物アーティストからも高く評価される。メタリカのトリビュート・アルバム『メタリカ・ブラックリスト』では「エンター・サンドマン」をカバーした。

LGBTQコミュニティへの献身的な姿勢も自身のファンベースと密接な関係にある。2023年4月に代々木公園で開催された「東京レインボープライド2023」では、楽曲「This Hell」がテーマソングに選ばれた。この楽曲と東京レインボープライドについて、リナ・サワヤマは次のようなメッセージを残している。

「こんにちは、リナ・サワヤマです。今回『This Hell』が東京レインボープライドのテーマソングに選ばれました!この曲は、LGBTQ+コミュニティから奪われている権利について書かれた楽曲です。みんな平等に愛を受けるべきなのに、セクシュアリティが理由でヘイトを向けられる人もいる。そんなヘイトが存在する場所でも愛を見つけて、ダンスできるような曲を作りたいと思って、この曲を書きました。

自分をサポートしてくれる友達や家族と一緒にいることで、この地獄もベターな場所になってほしいという思いを込めた曲です。

今回、わたしはTokyo Prideに参加できなくてとても残念でした。今年はスケジュールが合いませんでしたが、いつか必ず参加したいです!日本には行けないですが、イギリスからイベントの成功をお祈りしています。

また、日本のLGBTQ+コミュニティのみなさん、今はまだLGBT差別禁止法は認められていないし、同性婚もできません。日本はG7の中で唯一、これを合法化していないです。これはとても恥ずかしいことで、まだ乗り越えなくてはいけないハードルがたくさんあります。でも、LGBTの人は同じ人間です。

愛は愛。家族は家族です。いつの日か平等な社会になることを信じて一緒に戦かってください。」

この楽曲「This Hell」が収録されたアルバム『ホールド・ザ・ガール』は全英チャート初登場3位を記録し、日本人アーティストとして史上最高位の記録を打ち立てている。現在までに『RINA』(2017)『Sawayama』(2020)『ホールド・ザ・ガール』(2022)の3枚のアルバムをリリースしている。

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』では、エンディング曲「Eye For An Eye」も提供している。

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』で役者デビュー

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』では、真田広之が演じるコンチネンタル・ホテル大阪の支配人シマヅと共に登場する戦士アキラ役で映画デビュー。チャド・スタエルスキ監督がアニメのような女性キャラクターに相応しい日本人キャストをYouTubeで探していたところ、リナ・サワヤマのミュージックビデオが度々表示され、視聴していくうちに「良い予感がした」という。

筆者がスタエルスキ監督に聞いたところ、求めていたのは「ソフト」と「ハード」の切り替えができる役者。リナ・サワヤマがMVで、キュートな表情も鋭い表情も巧みに操っている点が高く評価された。また、たとえ演技経験がなくとも、アーティストとして人前に立つことに慣れている点、マーシャルアーツの経験がなくとも、ダンスに慣れている点も良かったという。

ジョン・ウィック:コンセクエンス
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『コンセクエンス』の撮影では同郷日本からの大スター、真田広之との共演に興奮していたという。現場では二人で日本語でのやり取りを行なっていたそうだ。

映画データベースサイトIMDbの情報によると、現時点で決定している待機作は日本語の短編映画『Syuhasuu(原題)』。「スケッチブックに黄色のマーカーで自分の周波数の解釈を書くところから始まる」物語。監督・脚本には画家の大宮エリーがクレジットされていて、2023年にリリース予定とされている。

リナ・サワヤマ
©Thurstan Redding
リナ・サワヤマ
©Thurstan Redding

Source:playy

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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