『ジョン・ウィック:コンセクエンス』にはディレクターズ・カット版が存在する ─ 「10~15分ほど」の未公開シーンあり

キアヌ・リーブス主演『ジョン・ウィック:コンセクエンス』には、さらに長いバージョンが存在する。監督のチャド・スタエルスキが認めた。
そもそもシリーズ史上最長、上映時間2時間49分(169分)もの大ボリュームとなった本作だが、スタエルスキは「これがベストだと思える長さ」だと豪語していた。なにしろ米IndieWireによると、初期編集版の長さは3時間45分。「実際の時間だけでなく、体感時間も3時間45分だったので困り果てた」とは監督自身の談である。
したがって、スタエルスキ自身が「ディレクターズ・カット」と呼ぶバージョンは、劇場公開版と上映時間にさほど大きな差があるわけではない。米ComicBookMovie.comのインタビューによると、復活した映像は約10~15分。2023年6月の時点で、すでに編集作業はほとんど完了していたという。
「(編集段階で)ベルリンの場面をたくさんカットしたんです。ザ・フラウ(The Frau)という登場人物がいて、ジョンとの面白いシーンがありましたし、トラッカーとの別のシーンもあった。ちょっとしたアクションもいくつか戻しています。テンポが合わないためにカットすることはあって、それらの場面もクオリティはとても高いんですよ。コレオグラフィーも素晴らしいし、キャラクターもすごく良い。ただ、映画全体のペースが変わってしまっていたんです。」
そもそもスタエルスキと編集のネイサン・オーロフは、3時間45分の初期編集版から上映時間を縮めるため、とにかく不必要な情報をカットする“圧縮作業”を実施。その後、全編のテンポを確認するためにシーンの長さを調整したという。
「たとえば、車のシーンは5分がいいのか、それとも10分がいいのか……それは映画全編を観てみなければわかりません。(本編から)たった30秒を削除しただけでも、みんなで全編を見直しました。編集スタッフには嫌われたと思いますが、それが映画を正しいテンポにする唯一の方法だったんです。」
こうした作業を経て、最終的にスタエルスキが「スローに感じないし、ドライブ感がある」と判断したのが劇場公開版だったのだ。しかし、その過程では泣く泣くカットせざるをえない場面があった。劇場公開を経て、それらを蘇らせたものがディレクターズ・カット版なのだろう。
なお、米国でリリースされている『ジョン・ウィック:コンセクエンス』のブルーレイやデジタル配信版には、このディレクターズ・カット版や本編の未公開シーンは収録されていない。果たして、いつ、どんな形でお披露目となるのか。いずれ来るであろう正式発表に期待しよう。
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Source: ComicBookMovie.com, IndieWire