マイケル・キートン、マーベルでもDCでもマルチバースで困惑 ─ 『モービウス』バルチャー、『ザ・フラッシュ』バットマン再演で

ハリウッドにおいてコミックのスーパーヒーローを演じた先駆けのひとり、マイケル・キートンは、いまやマーベル映画とDC映画の両方に出演する役者の一員となった。マーベル映画『モービウス』では『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)のバルチャー/エイドリアン・トゥームス役を、DC映画『ザ・フラッシュ(原題)』では『バットマン』(1989)『バットマン リターンズ』(1992)のバットマン/ブルース・ウェイン役を再演するのである。
米The Hollywood Reporterにて、キートンは『バットマン』当時と現在を比較し、「バットマンは文化的に大きな存在になりました。世界中の人々にとって大きな存在だから、きちんと敬意を払わないといけない」と語った。ただし30年ぶりのバットマン復帰にあたり、『ザ・フラッシュ』のキーワードである“マルチバース”には大いに困惑したようで……。
「(脚本を)3回以上読んでも、“えっ、どういうことなの”って。何度も説明してもらわなきゃいけませんでした。僕が傲慢だってわけじゃないし、そうであることを願っていますよ。とにかく“俺ってスゴいだろ”みたいな話じゃなくて、ただ、僕がバカだって話なんです。わからないことがたくさんあったのを、なんとか解決したんです。」
物語の原案となったのは、フラッシュと並行世界を描く人気エピソード「フラッシュポイント」で、『ザ・フラッシュ』はDC映画における“マルチバースの接点”とも呼ばれる。キートン演じるバットマンは、本作で『ジャスティス・リーグ』(2017)などのベン・アフレック版バットマンと共演するのだ。ちなみに、キートンはマルチバースには混乱したものの、脚本の完成度やアンディ・ムスキエティ監督のビジョンには感銘を受けたという。

バットマン復帰と時を同じくして、キートンは『モービウス』で『スパイダーマン:ホームカミング』のバルチャー役を再演する。予告編のキートンが本当にバルチャーなのかは確定されていなかったが、今回、キートンはこの人物がバルチャーであることを認めることになった。というのも、『ザ・フラッシュ』と同じく、キートンはマルチバースに混乱したことを明かしたのである。
「(話を聞きながら)いかにも彼らが言ってることを分かってますよ、という感じで頷いてました。“うんうん”とか言って。だけど心の中では、“なんか量子力学の説明をしてくれてるのかもしれないけど、僕にわかるのはこの役のことだけだぞ”みたいなね。基本はわかってますけど、と。そしたら、とうとう彼らが笑い始めたんです。“私たちの言ってること、わかりませんよね?”って。だから、“うん、わからない。何を言ってるのかわかんない”と答えました。」
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に属する『スパイダーマン:ホームカミング』のバルチャーが、MCUに属さない『モービウス』にどうやって登場するのか。やはり、キーワードはマルチバースということになろう。キートンの口から「量子力学」という言葉が飛び出したあたり、そのカラクリもいずれ明かされるにちがいない……。
『ザ・フラッシュ(原題:The Flash)』は2022年11月4日に米国公開予定で、『モービウス』は2022年公開予定と告知されている。すでにMCUではマルチバースの口が開いているが、2022年はいよいよ本格的な“マルチバース元年”を迎えることになりそうだ。その渦中にいるのが、ほかでもないマイケル・キートンなのである。
Source: The Hollywood Reporter