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『キングスマン』のエグジー、ボンドに反抗?英国スパイとお酒の素敵な関係

©2015 Twentieth Century Fox Film Corporation

ついに日本公開日が2018年1月5 日に決定した『キングスマン : ゴールデン・サークル』。今回は「続編が待ちきれない!」「もういちど第1作を観返して『キングスマン』ワールドにじっくり浸りたい!という方のために、こんなポイントから作品をみていきたい。それは、“イギリスのスパイとお酒との関係”である。 

ボンドが愛したお酒は?

 イギリスのスパイといえばやっぱりこの人、英国秘密情報部(MI6)の工作員、ジェームズ・ボンドだ。エグジーはボンドではなくジャック・バウアーのイニシャルを犬に名付けてしまったが、半世紀以上も世界中で愛されているスパイである。そんなジェームズ・ボンド、皆さんご存知かと思うがお酒に関する有名な台詞がある。 

「ウォッカ・マティーニを。ステアではなくシェイクで」 

軽くかきまぜる“ステア”だと混じり気がない、マティーニ本来の味わいを楽しむことができるのだが、ジェームズ・ボンドはふんわりとした味わいの“シェイク”がお好みだったようだ。“カクテルの王様”マティーニを好むイギリスのスパイたち。『キングスマン』には様々なお酒が登場するが、もちろんマティーニを注文するシーンもある。それが物語のクライマックス、エグジーがヴァレンタインのパーティー会場に潜入するシーンだ。現れたボーイにエグジーはドヤ顔でこう言ってのける。

「マティーニを。ウォッカではなくジンで。ヴェルモットは入れず、瓶をみて10秒ステアで。」

英国のスパイの先輩、ボンドと同じ方法でマティーニを頼むかと思いきや…実は全然違う作り方を指示しているのだ!ボンドのようにウォッカ・マティーニではなく、ジンで。そしてシェイクするのではなく、ステアで。そして甘口のヴェルモットは入れずに!男らしいドライな飲み方を披露しているのだ。まさにどこの国にも属さない最強スパイ組織“キングスマン”らしい、最高にクールな頼み方である。きっとボーイも「この若造、やるな」と思ったはずだ。 

スコッチ・ウイスキーの62年の“ダルモア”、1815年のブランデー“ナポレオン”。『キングスマン』にはウイスキーだけではなくワインも登場する。ヴァレンタインがハリーにふるまうのは45年の“ラフィット”。なんとヴァレンタインはこの高級ワインを某ハンバーガーと合わせてしまうのだが…。しかしそこで「スポンジ・ケーキにはシャトー・ディケムが合う」とユーモアを交えて切り返してこそ、余裕がある大人の男。 

『キングスマン』に登場するのはお高いお酒だけではない。誰もがのんだことのあるあのお酒もちゃんと登場している。 

あの傑作シーンで登場したお酒は?

物語序盤、エグジーとハリーが出会い、地元のパブに入るシーン。ハリーが飲んでいるのは“ギネスビール”!アイルランド初、日本はもちろん世界各地で親しまれている独特な味わいの黒ビールだ。

話をしているところでチンピラにからまれてしまうハリーとエグジー。ハリーはそこでチンピラ達に、こんな言葉をかける。 

「私は今日、少々感情的なんだ。どうか騒ぎを起こさないでほしい。これを飲み終わるまでは。
(Until I finish this lovely pint of Guinness)」
 

直後にチンピラが煽りをいれてしまったため、ハリーがビールを飲み終えるのは制裁を加えたあとになってしまうのだが。この「This lovely pint of Guineess」という言葉はギネスビールの有名なキャッチコピー「Lovely day for a  Guinness」にかけているのだろう。残念ながらハリーにとってはラブリーな日ではなく、チンピラとの一悶着な日にギネスビールとなってしまっ…。・実はこのキャッチコピーが書かれたポスターが2人が座っている席の後方に映り込んでいるので、ぜひ探してみて頂きたい。 

イギリスにゆかりのあるお酒、お高いお酒、私たちも楽しめるお酒まで幅広く登場している『キングスマン』。ボンドよりもドライなマティーニを注文したエグジーは、きっと続編では先輩スパイ以上にキレッキレの活躍を見せてくれるはず!良いお酒の味を知り、嗜めてこそ“紳士の基本”。“ダルモア62”や“45年のラフィット”には手が届かないが、イギリスのお酒をお供にゆっくりと『キングスマン』を観返そう。 

Writer

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Moeka Kotaki

フリーライター(1995生まれ/マグル)

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